60代にとってのがん保険の必要性とは。選び方とおすすめの相談先まで解説

2人に1人が罹患すると言われている”がん”について、60代あたりを境に、がん保険の必要性について悩む機会も増えてくるのではないでしょうか。長期化しやすく経済的な負担も大きいがん治療への備えについて、しっかりと検討しておくことが、60代以降老年期のライフプランを考える大事なポイントとなります。この記事では60代にとってのがん保険の必要性と、がん保険の選び方を解説致します。がん保険選びの参考にしてください。

豊かな老後生活

60代のがん保険の必要性

60代になると定年退職などにより収入が減少してくるのが一般的かと思います。年金の受給開始時期は65歳からであり、医療費の自己負担額が2割になるのは70歳からであるため、経済的な負担が比較的大きな期間です。(2020年12月現在)

平成30年度の生命保険文化センターの調査によれば、60代前半の民間医療保険の世帯加入率は91.3%にのぼり、この時期の備えとして大半の方が何らかの保険に加入していることがわかります。また、同じ年齢帯のがん保険加入率も66.4%という高水準であることがわかります。

こちらでは、がん保険を検討するのにあたっての3つの尺度と共に、60歳からのがん保険が必要である理由を解説致します。

60代でがん保険が必要な3つの理由

がん保険は、がんの治療で起こりうる深刻な経済的負担に対して事前に保険料を支払うことで備えるものです。60代にとってがん保険の必要性が高い3つの理由を列挙します。

  • 60代以降はがんの罹患リスクが高い
  • 治療が長期化する可能性が高い
  • 予期せぬライフイベントの発生率が高い

ここからは、この3つを詳しく解説していきます。

60代以降はがんの罹患リスクが高い

国立がん研究センターの最新がん統計によると、男性のがん罹患率は、50代前半と比べると、60代前半で2倍以上、70代で5倍以上に跳ね上がっています。

一方、女性の場合、特に注目したいのは女性特有のがん罹患率です。乳がんは40代後半にピークが一度来ますが、それとほとんど同様の状態が60代の前半・後半にわたり続いていくと言われています。

つまり、男女とも60代はがんの罹患率がそれまでの年代と比べてかなり高い時期と言えます。医療費の自己負担額軽減は70代からとなりますので、罹患した際の治療負担が大きくなりやすい時期とも言えるでしょう。

また、がん治療にかかる費用は医療費だけではありません。病衣代・食事代・差額ベッド代・日用品代・交通費などの支出も発生します。更にマッサージやサプリメント摂取など、その後の予防や回復に向けたケアも必要になってきます。このような背景の中、こうした医療外の費用に対応できるがん保険が選ばれている傾向があります。

治療が長期化する可能性が高い

上述のように60代は罹患リスクが高いことに加え、治療が長期化し、それに関連する費用がかさんでしまうケースも考えられます。早期発見できなかった場合には症状が重くなる傾向にあり、治療に長い期間を要し、転移・再発の可能性も高まります。

医療保険は、保障対象である入院日数・通院日数にも限りがあるのが通常のため、医療保険のみでは充分な保障が受けられず、心身のダメージのみならず経済的な不安も蓄積していくことが考えられます。

予期せぬライフイベントの発生率が高い

3つ目の理由は、予期せぬライフイベントの発生率が高いことです。60歳を過ぎると、想定していた子供の教育費や住宅ローンの支払いなど大きな支出における終わりの目処がついてくる傾向にありますが、その一方で以下のような新たな支出が増加する可能性も考慮する必要があろうかと思います。

  • 両親:認知症、介護、がんや生活習慣病などの闘病生活のサポート費用
  • 夫婦:がんのリスク、体の衰えからくる思わぬ怪我や事故・病気の医療費
  • 子供:独立して結婚、出産、マイホームの取得、孫の子育てなどの支援費

こうした新たなライフイベントによる支出と、自身や配偶者における病気のリスクが高まることでの高額な医療費の発生が同時に起こることで、経済的負担が大きくなる可能性が考えられます。

がん保険を検討する3つの尺度

ここまでがん保険を検討する上での3つの要素を解説してきましたが、もちろんがん保険が必要ないという方もいらっしゃいます。しかし、がんの闘病生活が開始されてから「やっぱり入っておけばよかった」と後悔するようなことは、出来る限り避けたいというのが共通の思いかと思います。

そこで、ここからはご自身にとってがん保険の加入は本当に必要なのかを判断するための「貯金額の多寡」「家族の人数・状況」「自身の健康状態・家系のリスク」という尺度について解説します。

貯金額の多寡

そもそも高額な医療費を払っても生活していける余裕があれば、がん保険に加入する必要はありません。貯蓄額が十分かを考えるために、未加入時にどの程度自己負担の費用が発生するかを考えてみましょう。

高額な医療費を個人に負担させないように、高額療養費制度という公的保険制度があるのはご存知でしょうか。医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。収入によって上限額は変わりますが、69歳以下の場合、8~9万円程度で収まることが一般的です。

がん治療費の自己負担額平均は20万円前後といわれています。入院治療が6ヶ月に渡った場合の上限となる自己負担額は、48~54万円程度になります。これらの費用には医療費以外の費用が含まれていないこと、高額療養費制度の還付金は請求後数ヶ月かかることに注意しましょう。

また、「陽子線治療」「重粒子治療」を代表とする先進医療を選択すると、およそ300万円程度の医療費が全額自己負担で必要になるといわれています。こうした治療が必要になる可能性を考慮することも、判断基準の一つでしょう。

家族の人数・状況

家族が多ければ多いほど、不確定な出費の可能性は増えていきます。

60代にとっての死亡保障の必要性は、子供の独立などで50代に比べると減少するケースが多いといわれています。もしも18歳未満の子供がいる場合でも、遺族基礎年金・遺族厚生年金や、学資保険などで対応可能なケースも考えられ、こうした点から老後、生命保険の必要性について疑問に思う方もいらっしゃいます。

しかし、上述の通り、家族が多いほど思わぬ支出が発生する可能性もあります。ご両親や配偶者に関しては、病歴や現在の健康状態、保険加入の状態などについて、この機会に改めて確認しておいても良いでしょう。

お子さん、お孫さんに対しては結婚、出産、マイホーム購入などどれだけの支援が可能で、必要なのかをご夫婦で検討しておくこともおすすめします。医療費や生活費などから分けて貯蓄額を確保した上で、前述の医療費に対応可能な額を捻出できるかが目安になるでしょう。

家系のリスク

忘れてはならないのが家系のリスクです。近親者に何度も同じガンにかかっている方がいたり、家系内で同じ部位へのがんが発生していたりする場合、遺伝性腫瘍の可能性があると言われています。

同一家系の場合は食生活や生活習慣が似通っているため、同じガンになりやすい傾向もあるといわれており、近親者や家系の中での病歴にがんを発症した方が多い場合は、そうでない場合よりリスクが高い可能性もあるといわれており、がん保険を検討すると良いかもしれません。

60代のがん保険の選び方

ライフプランに合わせたがん保険商品選定

がん保険がご自身にとって必要であるかご判断いただけたところで、次にがん保険の選び方を簡単にお伝えします。

60代以降のがん保険の選び方で押さえておきたいのは以下の2つです。

  • 長生きしても対応可能なもの選ぶ
  • 老後資金から確実に捻出可能な商品であるか確認する

必要な保障期間・保障内容と保険料とのバランスが重要です。ここからはこの2点について詳しく解説します。

長生きしても対応可能なものを選ぶ

せっかくがん保険に加入したとしても、いざ保障してもらいたい状態になった時に保障の対象外になっていては元も子もありません。60代以降の安心したセカンドライフを長期にわたって支えるためにも、以下の3点は確認しておきましょう。

保障期間が終身型のもの

がん保険は保障期間が定期型と終身型のものがあります。終身型をおすすめする理由は、定額の保険料で一生涯がん保険の保障を続けられるからです。

定期型の場合、加入時の保険料が安くなるメリットはありますが、期間が終了すると保障がされなくなくなってしまいます。70代以降もがんの死亡率は年齢と共に上昇し、70歳と80歳では後者の方がリスクは高まることになることから、高齢後期のタイミングで保障期間が切れてしまうケースも考えられます。

定期型のがん保険も更新は可能ですが、その分料金は上がってしまいます。老後資金が目減りしてくる中で保険料が上昇することで、更新をやむなく見送る方もいらっしゃいます。

終身型を選び、60代の加入時から一定額の支払いで、老後のがん保険金額を見通せている方がより安心といえるかもしれません。

診断給付金が複数回支給されるもの

診断給付金とは、がんと診断された場合の治療などに使えるように一時金が先払いされるもので、一回の診断につき50万〜100万程度の保障内容であることが一般的です。この支払い回数が複数回に設定されているものを選びましょう。

高額療養費制度は、差額ベッド代など治療費以外にも使える有用な制度ですが、保障が1回限りである場合も多いです。がんは転移・再発する可能性がとても高い病気であるため保険加入のメリットは、こうした複数回の支払いに対応するためでもあります。

通院給付金は限度日数が無制限のもの

医療保険ではカバーしきれない、がん特有の長い治療期間を補うのが通院給付型のがん保険です。

がんに特化して長期治療に対応するための保険であるため、上限日数に限りがあると、安心して治療を受けることができません。なるべく無制限のものを選択するのが好ましいといえるでしょう。また、通院給付金の支給要件に「入院後の通院の場合」と条件付きのものがありますが、入院しないケースも想定し、、あわせて注意が必要です。

老後資金から確実に捻出可能な商品であるか確認する

60代のがん保険の保険料は、一般的に月額5,500円前後といわれています。高額なプランを選択することで生活費を切り詰め、日常生活に悪影響を及ぼすような状態になってしまっては、かえってがん発症のリスクを高めることにも繋がりかねません。

保険料の負担額と、必要な保障内容をしっかり検討した上で、がん保険を選択することをおすすめ致します。

がん保険を選ぶ際には保険の代理店でプロに相談

保険に専門家相談する

実際にがん保険を選択する際には、まず保険のプロに相談することをおすすめします。がん保険は取り扱っている保険会社も数多く、その中でも様々なプランがあり、複雑です。一社一社を比較検討して、自らのライフバランスに合わせた保険を選び出すにはかなりの手間がかかってしまいます。

そこで、中立的な立場で各社のプランを洗い出し、相談に応じてくれる専門家によるサポートをおすすめします。保険代理店では、公的保険制度はもちろん、がん保険以外の医療保険・介護保険・認知症保険など、高齢期に必要な民間保険についての様々な知識を持った専門家が相談に応じてくれます。

がん保険以外の保険の紹介、コーディネートなど、ライフプランに合わせた保険の見直しを手助けしてくれます。相談ブースで対面相談・オンライン相談、どちらも可能の場合がありますので、一度お問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

60代のがん保険の必要性は高い

60代前後の方に向けたがん保険の必要性と、がん保険の選び方について解説いたしました。高い罹患リスク・治療の長期化・介護など他のライフイベントとの兼ね合いを考慮すると、多くの方にとってがん保険は必要な選択肢の一つと言えるかと思います。

家族・家計の状況を考慮した上で、今後のライフプランにあった保険を選ぶことが、充実した老後の生活の助けにもなります。保険のプロの力も有効活用して、ご自身にぴったりのがん保険を見つけてください。

※本記事で記載されている内容は、専門家によって見解が異なることがあります。

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