介護保険は40歳から全員加入!利用できるのはいつから?保険料は?

本人あるいはご家族が介護サービスを必要としたときには、条件を満たせば公的介護保険が適用され、自己負担は実際に掛かった介護費用の1~3割に軽減されます。それでは、公的介護保険はいつから加入するのか、利用できるのはいつからなのかという疑問について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

また、介護保険への加入後は、もちろん介護保険料を支払わなくてはいけません。介護保険料は毎月どの程度支払い、いつまで支払う必要があるのかについても説明します。

40歳

公的介護保険は満40歳から全員加入

日本は国民皆保険が導入されている国です。健康保険であれば、生後間もない赤ちゃんの時から加入する義務があるので、国民健康保険の場合、出生後14日以内にお住まいの市区町村役場で、社会健康保険の場合は出生後すぐに扶養する者の勤務先で加入手続きをしなくてはいけません。

公的介護保険も、すべての人が加入する義務があります。しかし、生まれてすぐに加入する健康保険とは異なり、原則として満40歳からの強制加入となります。

被保険者の2つの区分

公的介護保険への加入によって満40歳以上の全ての方が被保険者となりますが、その被保険者は、満65歳以上の「第1号被保険者」と、満40歳以上65歳未満の「第2号被保険者」の2つの区分に分けられています。

第1号被保険者は、介護状態になった原因が何であろうと、要支援もしくは要介護の認定を受けた場合には介護保険が適用されます。一方、第2号被保険者は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や末期がんなどの16の特定疾病によって要支援もしくは要介護の状態になった場合に限り、介護保険が適用されるという制度設計になっています。

<第2号被保険者も公的介護保険の適用が可能になる16の特定疾患>

  • 医師により回復の見込みがないと判断された末期がん
  • 関節リウマチ
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 後縦靭帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗鬆症
  • 初老期における認知症
  • パーキンソン病関連疾患
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形関節症

介護保険料はいつから徴収?

介護保険料の徴収は、40歳の誕生日前日の属する月から始まります。例えば1980年1月10日生まれの方なら、2020年1月10日に40歳の誕生日を迎えるため、誕生日の前日である2020年1月9日の属する月、つまり、2020年1月から介護保険料の徴収が開始されます。

ややこしい例として、誕生日が1日の方は、39歳11ヵ月から徴収されることになります。例えば1980年1月1日生まれの方の場合、2020年1月1日に40歳の誕生日を迎えますが、誕生日の前日が2019年12月31日なので、2019年12月から介護保険料の徴収が始まります。

介護保険料は給料から天引き

会社員や公務員の場合、健康保険料は給料から天引きされます。満40歳以上65歳以下の第2号被保険者に関しては介護保険は加入している健康保険組合に納付するため、介護保険料も給料から併せて天引きされることになります。

自営業等で国民健康保険に加入している場合は、年に一度、自宅に健康保険料が記載された書類が届きます。その年内に「40歳の誕生日の前日が属する月」が含まれる場合は、健康保険料と介護保険料の金額も記載されていますので、被保険者自身が介護保険の加入手続きをおこなう必要はありません。

なお、健康保険料と介護保険料は、振込用紙を使って一括もしくは分割で納付するか、口座振替で納付します。健康保険の種類を変更しない限り、健康保険料と併せて介護保険料も納付することになります。

介護保険料を払わなくていい人とは

介護保険制度は満40歳以上の方の全員加入が原則ですが、その制度適用が除外されるケースがあります。次の条件を満たす場合は、必ず健康保険組合や役所の健康保険課の窓口等で手続きをしましょう。この適用除外については条件を満たしても自動的に介護保険料が免除されるわけではありませんので注意が必要です。

  • 日本国内に住所がなく、海外に居住している場合
  • 身体障害者療養施設などの介護保険適用除外施設に入所している場合
  • 在留資格が1年未満の外国人

生活保護受給者の場合については、介護保険料の支払いは免除されません。具体的には、生活保護費の中の「生活扶助」として介護保険料の金額分が加算されて支給されるため、介護保険料の支払いを工面するために、生活を更に切り詰めないといけないということにはなりません。また、実際に介護サービスを利用した場合も、生活保護費の中の「介護扶助」として介護サービスの利用料(原則1割負担)の金額分が加算される為、実質の本人負担は無しとなります。

なお、40歳以上65歳未満の方で生活保護を受給することになると、国民健康保険からの脱退を強制され、結果的に公的介護保険に加入することは無くなり、「第2号被保険者」とも見なされなくなります。一方で、万一実際に介護サービスが必要になった際には、「みなし2号」という位置付けで、介護費用の全額負担を生活保護費の「介護扶助」として支給される制度となっています。

満65歳以上で介護保険料の支払いは免除になる?

40歳2

第2号被保険者は、加入している健康保険組合に対して健康保険の一部として介護保険料を納めますが、65歳以上の第1号被保険者になると、居住する自治体に介護保険料という名目で納めることになります。ただし、公的年金の受給額が年18万円以上の方は、公的年金からの天引きという形で納めるため、納付の手間はかかりません。なお、公的年金受給額が年18万円未満の方は、お住まいの自治体から納付書が届きますので、忘れずに納付するようにしましょう。

このように、満65歳になることで介護保険料の納付先は変わりますが、実質的には介護保険料を納めること自体に変わりはありません。そのため、上述した介護保険料免除の条件を満たさない限りは、介護保険料は一生涯払い続けることになります。

介護保険料はいくら支払う?

90歳まで生きるとするならば、支払い免除の条件を満たさない限り50年もの長きにわたって介護保険料を支払うことになります。そこで気になるのが介護保険料の金額です。実際にどの程度支払うのかについて見ていきましょう。

40歳からの介護保険料

第2号被保険者の場合、介護保険料は、加入している健康保険の種類や所得等によって金額が決まります。厚生労働省の調査によれば、第2号被保険者一人あたりの年間介護保険料は64,161円、月額は5,347円(平成28年10月~平成29年3月の平均)でした。高齢者の人口も増えているため、介護保険料は今後も増加すると考えられます。

65歳からの介護保険料

内閣府が公表する資料によれば、2020年度の第1号被保険者の介護保険料の平均月額は6,771円、2025年には8,165円に上昇すると見られています。

なお、第1号被保険者の介護保険料は、自治体と所得によって異なります。そのため、お住まいの地域によっては平均よりも大幅に高い可能性もあります。

公的介護保険だけで保障は十分?

介護保険には、満40歳以上の方が全員加入する「公的介護保険」と、保険会社が提供する「民間介護保険」があります。民間介護保険は強制加入ではありませんが、実際のところ加入する利点はあるのでしょうか。

公的介護保険は「現物支給」

公的介護保険は、いずれも現物支給です。介護サービスが必要になったときに利用料のうち介護保険から7~9割が支給されるため、被保険者の自己負担は実際の介護利用料の1~3割のみとなります。

つまり、公的介護保険は介護サービス利用時に国から現金を支給されるわけではなく、実際の介護サービス費用の支払いをその場で負担軽減する形で保障を受ける「現物支給」となります。よって、公的介護保険で保障対象となる介護サービス以外のサービス、例えば民間の家事代行や食事配達サービスを利用する場合にはそちらへお金を融通するようなことは出来ずに実費を支払うことになります。

民間介護保険に加入することでより手厚い保障になる

公的介護保険によって基本的な介護サービスを受ける際の自己負担額が1〜3割に軽減されることは被保険者にとってはありがたい制度になっています。

しかし、定年を迎えて収入状況が変わってくると、その1~3割の自己負担分だけでも将来的に大きな負担になると心配される方もいるでしょう。そのようなときに検討できるのが「民間介護保険」です。現物支給の公的介護保険とは異なり、民間介護保険は「現金支給」のため、保険適用条件を満たすと一時金(条件を満たした時点で受給できるまとまった保険金)や年金(条件を満たした時点以降に定期的に受給できる保険金)を現金で受け取れます。

受け取った保険金は、何に使っても問題ありません。公的介護保険の自己負担分を賄う形として利用することもできますし、外食費やタクシー代、民間の家事代行サービスの費用として利用することもできます。つまり、民間介護保険に加入することで、お金の使い方に選択肢が増え、より自分の要望に沿ったきめ細かい介護サービスを受けやすくなるでしょう。

保険選びで迷った時には?

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多くの民間の保険会社が介護保険商品を販売しておりその種類もさまざまです。また、加入したい介護保険商品が決まっていたとしても、「毎月の保険料はいくらくらいが良いのか」「保険料の支払期間は終身にするか定期にするか」「特約のオプションはつけべきか」等々決めるべきことが多く、保険選びに慣れていない方にとっては困難を感じるかもしれません。

そこで、自分に合った必要な保障が得られる保険商品に加入するためにも、一人で悩まずにまずは保険の専門アドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。保険代理店では保険に精通したコンサルティングアドバイザーがあなたの希望やライフステージに合わせて、様々な保険会社の商品を比較して提案するサービスを提供してくれます。たとえ契約まで至っても相談者から支払う手数料等は一切無く、一人では調べられない程多くの有益な情報を収集できるので、まずはお気軽に利用してみることをおすすめします。

お忙しい方には、電話やインターネットを活用した無料相談サービスにも対応している店舗もあります。「保険料がどの程度になるのか知りたい」「介護保険にどんなオプションを付けられるのか知りたい」等のお悩み、疑問点もご相談してみてはいかがでしょうか。

介護に必要な保障についてご家族や専門家と考えてみましょう

どのような介護を希望するかによっても、必要な保障は変わります。将来どの程度手厚い介護を受けたいのか、一度、ご家族で話しあってみてはいかがでしょうか。人生100年時代を迎える今、誰もが介護を必要とする可能性があります。介護について、そして、将来について、今から準備できることを始めておきましょう。

※本記事で記載されている内容は、専門家によって見解が異なることがあります。

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