民間介護保険に加入すべき?必要性について考えてみましょう

民間介護保険にわざわざ加入する必要はあるのでしょうか?日本では満40歳以上の方は公的介護保険に強制加入しますが、それだけでは不十分なのでしょうか?この記事では、公的介護保険による保障内容について詳しく解説し、民間介護保険に加入する必要性の有無について探っていきます。将来の介護問題が気になる方は、ぜひご覧になり、必要な保険について考えていきましょう。

必要性

民間介護保険の必要性

一生の間に介護を一度も必要としない方は、そう多くはありません。厚生労働省によりますと、80~84歳では26.9%、90歳以上になると68.0%もの方が要介護認定を受けて介護サービスが必要になると報告されています。人生100年時代と言われるこの時代に、介護に備えることは将来に備えるために欠かせない要素であることが分かるでしょう。

介護に備える保険としては「公的介護保険」と「民間介護保険」があります。公的介護保険の保障内容を詳しく知ることで、民間介護保険の必要性についても考えていきましょう。

公的介護保険では適用年齢に制限がある

公的介護保険は満40歳で申込み意思や手続きに関係なく強制加入し、毎月の納付義務が課せられます。一方で、40歳未満で介護が必要になった場合は、公的介護保険からの保障は受けられません。

また、40歳からの強制加入となりますが、実際に介護保険が適用されて保障を受けられるのは基本的に65歳以上になってからとなっています。厳密には40歳以上65歳未満の方は、厚生労働省が定める筋萎縮性側索硬化症(ALS)や脊髄小脳変性症などの16種類の特定疾病に罹患して介護が必要になった場合に限り、介護保険が適用されて保障を受けることができるという設計です。

そのため、40歳未満での介護や、65歳未満で特定疾病以外で介護が必要になった場合に経済面で手厚く備えるには、民間の介護保険が必要になります。年齢に関わらずケガなどによって介護サービスが必要になる不安に備えるという意味では、民間介護保険の加入を早いうちから検討しておくこともできるでしょう。

公的介護保険では保障内容に制限がある

公的介護保険では、利用した介護サービスの費用の7~9割を保障してもらえます。例えばデイサービスや沐浴サービスなどを10,000円分利用した場合は、公的介護保険が適用されて実質負担額は1,000~3,000円のみとなります。

しかし、要介護状態となったために、宅配弁当サービスを利用したり、有料老人ホームなどに入所したりする場合の費用には公的介護保険は適用されません。公的介護保険は例外なく「指定された介護サービスを利用したときの費用の一部」だけに適用されるため、それ以外の費用に関しては保障されないという点は注意しなければいけません。

一方、民間介護保険では、介護が必要な状態になると現金で保険金を受け取れます。要介護状態になると、家から病院や介護施設までタクシーを呼ぶ回数が増えたり、食事のケータリングが増えたりと支出も増えるので、さまざまな出費に対して自由に保険金を利用しても良いですし、介護サービス利用時に支払う1~3割の自己負担額に対して充当することもできます。より自由度の高い保障を受けたい方は、民間介護保険の検討が必要と言えるでしょう。

老後資金に余裕がないと生活費が厳しくなることがある

生命保険文化センターの調査によりますと、介護が必要な状態になると住宅改造や介護用ベッドの購入などの初期費用として平均69万円の出費が必要となり、その後、平均毎月7.8万円の介護関係の支出が生じるとの調査結果があります。老後資金に余裕があれば、介護サービスの自己負担額や要介護状態になることで増えるさまざまな出費も無理なく対応することができますが、そうでない場合は、要介護・要支援になったときに必要なサービスを受けることが難しくなるかもしれません。

老後資金を心配される方には、要介護状態になったときに現金を受け取れる民間介護保険の加入がおすすめです。公的年金だけでは生活費に不安がある場合には、毎月(あるいは数カ月、毎年)定期的に現金を受け取れる「年金型」の民間介護保険を検討できますし、施設入所のための資金が必要な場合には、保険受給の上限を満たしたときにまとまった現金を受け取れる「一時金型」の介護保険を検討してみてはいかがでしょうか。

民間介護保険に加入するデメリット

要介護・要支援になったときに備える民間介護保険ですが、いくつかデメリットもあります。加入する前にそうしたデメリットについても知っておきましょう。

公的介護保険に加えて保険料の支払いが発生する

民間介護保険に加入すると、当然のことですが毎月保険料の支払いが発生します。手厚い保障を求めると保険料が高額になり、家計を圧迫する可能性があります。保険料の支払いが滞った時点で保障も途絶えることがあるため、介護が必要になったときにきちんと保障を受け取るためにも、毎月きちんと納めなくてはいけません。

また、積立型の介護保険の場合、ある程度の期間以上継続して保険料を支払わないと、保険金や解約返戻金の受給資格をなくすことにもなりかねません。民間介護保険に契約する際には、毎月無理なく支払える保険料なのか必ず確認しておくようにしましょう。

保険金支払条件に合わないと受給できない

毎月きちんと保険料を納めていても、各保険商品が定める「保険金支払条件」に合致しないと保険金を受給することができません。

例えば、加入した民間介護保険の保険金支払条件が「要介護度3以上と認定されること」だと仮定すると、例えば転倒によるケガなどにより一時的に介護が必要な状態になっても、要介護認定が受けられない場合には保険金を受給することはできません。また、要介護認定を受けた場合でも、要介護度2以下では保険金支払条件を満たしません。

そのため、「介護サービスが必要なのに、民間介護保険の保険金を受給できない」という状態になる可能性があります。民間介護保険に加入する場合は、保険金支払条件も必ずチェックしておくようにしましょう。

民間介護保険・介護特約の加入率はどれくらい?

必要性2

公的介護保険は強制加入のため、基本的に満40歳以上の全国民が加入しなくてはいけません。一方、民間介護保険は任意加入なので、加入するかどうかは個人の意思に委ねられます。実際にどの程度の方が民間介護保険に加入しているのか、生命保険文化センターが実施した平成30年度 生命保険に関する全国実態調査から見ていきましょう。

1割ほどの世帯主が加入している

生命保険に関する全国実態調査によれば、民間の介護保険や介護特約に加入している世帯は全体の14.1%で、世帯主が加入している場合は10.5%、世帯主の配偶者が加入している場合は7.8%でした。つまり、1割ほどの世帯主が、要介護状態になった時に備えて民間保険に加入していることになります。

加入年齢は50代が多い

世帯主の世代別に見ていくと、40代までの加入率は15%程度ですが、50代になると加入率は50歳~54歳で20.6%、55歳~59歳で20.9%と2割を超え世代別では一番高い加入率となっています。

早期加入で保険料は安くなる

介護保険は、加入する年齢が低ければ低いほど毎月の保険料が安価になる傾向にあります。一般的に民間介護保険は保険金を受給するまで保険料を支払う必要があるため、早期加入すると払込期間は長くなる可能性がありますが、毎月の保険料による負担を軽くしたい方は早めの加入を検討してみましょう。

掛け捨ての介護保険も保険料が安め

掛け捨て型の介護保険は、積立型の保険と比べて毎月の保険料が安めに設定されています。保険金支払条件を満たさないときは1円も受け取れませんが、毎月の負担が軽い分、加入しやすいというメリットがあります。

反対に、積立型の保険は満期や死亡保険金が設定されており、支払ってきた保険料の一部あるいはそれ以上を受け取れるようになっています。また、途中で解約する場合には「解約返戻金」として保険料の一部を返還してもらえる商品もあり、貯蓄の一つとして契約することもできるでしょう。

ご自身に合った介護保険を選ぶ方法

公的介護保険とは異なり、民間介護保険の保障内容は保険商品によってさまざまです。どのように選べば自分に合った介護保険に加入できるのでしょうか。

介護保険は自由度が高く決定する項目が多い

介護保険を提供している保険会社は多く、どれを選んで良いのか分からないという方も多いでしょう。また、介護保険を一つに絞ったとしても、特約や保険金額、保障期間などの決定は契約者にゆだねられているため、選択肢が多すぎてどのように決めれば良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。

介護保険は自由度が高く、保険に詳しい方にとっては希望の保障にデザインできる魅力的な保険商品と言えますが、一方で今まで民間保険に加入したことがない方やあまり保険に詳しくない方にとっては扱いづらいものです。迷った時は、一人で悩まず保険の専門家に相談してみることをおすすめします。

保険代理店でご自身に合う保険商品を相談

必要性3

介護保険の選び方についてさまざまなポイントから解説してきました。保険には保障期間や保障額、特約の種類など、契約をする方自身で考えなくてはいけない部分が多く、また、保険会社によっても保障内容や加入条件が異なるため、納得できる保険に加入することは実際には容易なことではありません。

保険選びが難しいと感じる方は、保険のプロに相談しながら選んでみるのはいかがでしょうか。保険の代理店では、保険の専門家と相談しながら介護保険の契約を進めることができます。相談員は「どのような保障を求めているのか」「保険料はどの程度が好ましいか」などの的確な質問をしながら利用者の意見を反映させていくので、保険初心者の方でもご自身に合う保険を見つけることが可能です。気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

民間介護保険が必要な人はどんな人?

最後に、民間介護保険が必要な人とはどのような人なのかまとめておきましょう。以下の条件のうちいずれかに該当する場合は、民間介護保険を前向きに検討することをおすすめします。

  • 老後資金に不安がある方
  • 年金では生活費以上の出費は難しいと考えられる方
  • 一人暮らしの方
  • 家族や親族に介護の負担をかけたくない方
  • 65歳未満で介護が必要になった場合の備えがない方
  • 高いレベルの介護サービスを希望する方

早期の備えで毎月の負担を減らしましょう

介護保険に加入するなら、できるだけ早期の加入をおすすめします。保険加入期間が短いほうが保険料総額は安くなることもありますが、早期加入によって毎月の負担が少なくなるため、無理なく支払い続けることができます。また、若年性認知症やケガによって65歳未満で介護サービスが必要になった場合に対しても、経済的に備えることができるでしょう。

まずは保険の専門家と相談し、ご自身やご家族にどのような保障が必要なのか話しあってみてはいかがでしょうか。

※本記事で記載されている内容は、専門家によって見解が異なることがあります。

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