認知症は早期発見のメリットや、早期発見のチェックリストについて解説

平均寿命が伸びる中、高齢化の進行と共に認知症の患者数も増加しています。

2025年には団塊世代が後期高齢者となり、認知症を発症する人の数はますます増えることが予想されています。

 

認知症の早期発見が大事であることは広く知られていますが、早期発見によりはたして認知機能を回復・維持することが可能なのか、という点について気になる方も多いのではないでしょうか。

 

ここでは認知症早期発見のメリットについて解説していきます。

出典:認知症|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

 

 

早期発見した認知症は回復可能性がある?

既に進行が進んでしまった際の認知症の根本的な治療方法について、現在までのところ明確な手段が確立されていないとされていますが、早期に発見された初期段階の認知機能の衰えについては、一部のケースにおいては回復が可能と言われています。

 

とりわけ、MCIと呼ばれる軽度認知障害の段階での早期発見においては、約3割程度は適切な措置を講じることで認知機能を回復させることが可能であると言われています。

早期発見で認知症を治すことが出来る

最新の医学ではいかに 早くMCIを発見するかということが重要視されており、関連学会や研究機関の間では「フレイル」という単語が注目を浴びています。

 

フレイルとは認知症が要介護状態に進行するまでの状態のことで、フレイルの段階であれば一部において認知機能を回復させることが可能であるとされています。

 

定期的に自分の認知機能の状態をチェックし、その変化を把握し、機能の維持に努めることが大切です。

 

認知症の早期発見のチェックリスト

公益社団法人の認知症の人と家族の会は、認知症早期発見のための20のチェックリストを公開しています。

 

チェック項目にいくつか当てはまる場合は、早期に近くの病院に相談するとよいでしょう。

 

 

公益社団法人認知症の人と家族の会

 

MCI段階における治療方法

 

MCIから健康な状態へと回復させるためには出来る限り早い段階で発見し、適切な措置を講じる必要があります。

 

早期段階において有効な介入方法を取り入れることで、認知機能の低下進行を防ぐ効果は高まると言われており、複数の有効な介入方法を組み合わせて取り組むことで、より高い効果が期待できると言われています。

 

食生活を改善する

高血圧や肥満、糖尿病などの生活習慣病の改善、予防は、認知機能の維持・回復に有効であるといわれています。

 

特に、糖分の過剰摂取は糖尿病だけでなく肥満にも繋がるため、注意が必要です。糖尿病は脳が働く上で必要不可欠である糖の吸収を阻害するため、脳の認知機能を低下させることに関連すると言われています。

 

一方、DHAの摂取や地中海料理等は認知症の予防に一定の効果があると言われています。

生活習慣病を予防するバランスの良い食栄養を摂取することを意識することが重要です。

 

また、タバコは認知機能を低下させる可能性があるので控えましょう。

 

強度の高い運動を取り入れる

日々運動する習慣のある高齢者はそうでない高齢者に比べて、認知機能を維持している方の割合が高いことがわかっています。

 

これは、運動によって神経細胞が成長したり海馬の面積が大きくなったりすることが原因なのではと考えられています。

認知症予防に運動が効果的であることは有名ですが、さらに強度の高い運動が認知機能維持に良い効果を示すデータが関連機関より発表されています。

 

無理はせず、強度の高い有酸素運動などを習慣化することが、MCI治療に効果を発揮すると考えられています。

 

知的な活動を行う

人間の脳内のネットワークは知的な活動を行うことでより密になることがわかっています。

 

よって、知的な活動を行うことで脳内のネットワークの活性化に繋がり、認知機能の維持・改善にに有効であるとのことです。

 

また、認知症は遺伝する可能性がある疾患ですが、認知機能を維持することで発症する可能性を低下させられることがわかっています。

 

認知機能を高める知的な活動

認知症を予防する知的な活動としてパズルや脳トレが注目されていますが、脳を使うトレーニングであれば何でも良いというわけではありません。

 

ここでは、認知機能を高めることが出来る知的な活動を紹介します。

 

はじめて経験すること

普段から慣れ親しんだことをしたとしても脳への刺激は限定的で認知機能を高める効果は限定的であり、認知機能を高めるためには、これまで経験のない何か新しいことに挑戦して脳に刺激を与えることが効果的であると言われています。

 

経験のない活動であると、心理的なハードルは高いかもしれませんが、それを乗り越えて新しい何かを習得することが認知機能への影響を高めるといわれています。

 

五感を刺激すること

人間の体の感覚機関は海馬につながっており、五感として受け取った情報は海馬を刺激します。

 

また、海馬の近くには感情を処理する部分も存在しています。

そのため、五感をたくさん用いたり感情を動かしたりする活動が認知機能を高めるといわれています。

 

コミュニケーションを取る

普段何気なく行っている会話ですが、実は相手の話を聞いて理解した上で自分が発言することを考える行動の繰り返しであり、かなり脳を使うといわれています。

 

相手の表情や声のトーンを意識しながら話を聞くことを意識して会話をする時間を作りましょう。

 

早期発見をした上で治療を行うことが大切

これまで紹介してきた認知症を予防する活動は年齢に関わらず普段から取り入れることで認知症予防の効果を高めることにつながる可能性があります。

 

また認知機能が低下する早期段階にてそれに気づくことができれば回復を期待することも可能であるといわれています。

 

そのため、定期的に認知機能をチェックし、恒常的に状態把握を行うことががとても大切です。

認知機能のチェックを自分で行う方法や、医師の診断を受ける方法は以下のリンクから確認してみましょう

https://fove-inc.com/solution/healthcare/media/s23/

https://fove-inc.com/solution/healthcare/media/s38/

 

認知症は早期発見と定期的なセルフチェックが重要

認知症は、早期に発見して適切な治療を施すことで、その進行を遅らせられる病気です。

 

そして、早期発見には定期的に認知機能をチェックすることが重要になります。

MCI段階で発見すれば進行を抑制できる

認知症の一歩前の段階にMCI(軽度認知障害)という状態があります。

物忘れなど認知症に見られる症状が出ているものの、その程度は軽く周囲に影響を及ぼすほどではない状態です。

 

 

しかし、軽度とはいえMCIを放置すると、その中の約1割の方は1年以内に認知症を発症すると言われています。一方で、もしMCI段階で適切な治療を施すことができれば、健常な認知機能まで回復する可能性が14〜44%もあるとされています。

 

つまり、認知症を深刻化させないためには、少しの認知機能の変化に気づき、適切に対応することが有用であると考えられます。

 

MCI(軽度認知障害)とは?定義や検査方法について紹介します

 

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-認知症の治療方法

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