RI検査、SPECT検査とは?SPECT検査は何がわかる?認知症検査について分かりやすく解説

認知症検査について調べると、MRI、CT、VSRAD、SPECT、RIなど様々な検査が出てきて、その違いを理解するのが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

 

今回の記事では、RI検査スペクト検査(SPECT)について分かりやすく解説します。

 

 

 

RI検査とSPECT検査

実は、認知症検査におけるRI検査とSPECT(スペクト)検査は同類の検査を指しています。

 

RI検査は、ラジオアイソトープ(Radio isotope)の略で、体内に注射した放射性医薬品が放出する放射線を利用して臓器の様子などを画像化する検査です。

 

RI検査の中でも特に、体内の画像化の際にカメラが体の周りを回り断面図を撮影することが出来る検査をスペクト検査と呼びます。

 

つまり、検査の流れは同じですが、画像を撮影する際のカメラの動き方が異なるだけで、基本的にRI検査とスペクト検査は同類であるという認識で問題ないかと思います。

 

RI検査の仕組み

RI検査がラジオアイソトープ検査の略であると書きましたが、このラジオアイソトープとは放射線を放出する放射性同位元素のことです。

放射性同位体を含む医薬品を体内に注射すると特定の臓器に集まる性質があります。

 

そこで、特定の臓器に集まった放射性同位体が放出する放射線を、専用の機械で感知することで臓器の画像を撮影すること出来ます。

さらに、放射性同位体の分布などによって臓器の機能状態や代謝状態を調べることが可能です。

 

検査の流れ

RI検査及びスペクト検査は検査を行う部位によって流れが異なりますが、ここでは認知症検査としてのスペクト検査の流れを説明します。

 

医薬品の注射

放射性同位体を含む医薬品を注射します。注射の量は2mlと少ないのですぐに終わります。

待機

医薬品が体全体に回るまで1時間ほど待機します。注射した薬によっては数日間の待機期間が必要となる場合もあります。

撮影

45分~60分、横になっている間にカメラが撮影を行います。

 

体への負担や痛みは?

放射線を放出する物質を利用するため被ばく線量が気になる方も多いと思うのですが、1回のRI検査で起こる被ばくは0.2~8mSvの線量であり、人体への害はほぼないため安心して検査を受けることが出来ます。

 

また、一般的な注射のチクッとした痛み以外には特別な痛みを感じることもありません

 

RI検査で何がわかる?

RI検査(スペクト検査)で撮影した画像を利用して、専門医が認知症の診断を行います。

 

認知症検査の場合、画像から脳全体で血液の循環に問題がないかどうかを確認することが出来ます。

異常が見られた場合、認知症や脳梗塞などの脳疾患が疑われます。

 

アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症など認知症の種類を判別することも可能であると言われています。

 

検査費用

検査費用は保険負担割合、医療機関によって異なりますが、おおよその値段は以下のようになっています。

 

  • 保険1割負担の方→約7,200円
  • 保険3割負担の方→約21,600円
  • 全額負担の方   →約72,000円   注:医療機関によって検査費用は異なります

 

RI検査のメリットとデメリット

RI検査(スペクト検査)がどのような検査なのか流れなども含めて説明してきましたが、ここでは具体的なメリットとデメリットをまとめます。

 

メリット

  • 検査によって臓器の形状だけでなく機能状態/代謝状態を知ることが出来る。
  • 多くの場合、臓器の形状に異常が起きるより先に機能や代謝に異常が起こるため、MIR検査やCT検査よりも早期発見に繋がる可能性が高いと言われている。
  • 苦痛や痛みが少ない

 

デメリット

  • 使用する医薬品によっては拘束時間が長い
  • 保険適用額によっては費用が高額

 

認知症は早期発見と定期的なセルフチェックが重要

認知症は、早期に発見して適切な治療を施すことで、その進行を遅らせられる病気です。

 

そして、早期発見には定期的に認知機能をチェックすることが重要になります。

MCI段階で発見すれば進行を抑制できる

認知症の一歩前の段階にMCI(軽度認知障害)という状態があります。

物忘れなど認知症に見られる症状が出ているものの、その程度は軽く周囲に影響を及ぼすほどではない状態です。

 

 

しかし、軽度とはいえMCIを放置すると、その中の約1割の方は1年以内に認知症を発症すると言われています。一方で、もしMCI段階で適切な治療を施すことができれば、健常な認知機能まで回復する可能性が14〜44%もあるとされています。

 

つまり、認知症を深刻化させないためには、少しの認知機能の変化に気づき、適切に対応することが有用であると考えられます。

 

MCI(軽度認知障害)とは?定義や検査方法について紹介します

 

【出典】

・『RI検査(SPECT: スペクト検査)』 独立行政法人国立病院機構 姫路医療センター

・『RI検査のご紹介』 独立行政法人国立病院機構 さいがた医療センター

・『核医学(RI)検査』 香川県立中央病院

・『 放射線技術部(核医学検査(RI検査)(PET-CT検査)部門)』 神戸市立西神戸医療センター

・『画像診断検査料金(健康保険適応時の患者様ご負担額の目安)』 人間ドック・PET画像診断センター御池クリニック

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