認知症の初期症状を17のチェックリストで早期発見

認知症は、高齢者の中で増加している深刻な問題であり、早期発見がその予防や治療に非常に重要であるといわれています。

初期症状は見逃されることが多く、その結果、適切なケアが遅れてしまうことがあります。

 

そこで、本記事では、認知症の初期症状を見抜くためのチェックリストをご紹介します。

このチェックリストを活用することで、自分自身や身近な人の状態に気づき、適切な対策を講じることができます。

 

 

 

認知症の一般的な初期症状

認知症の初期症状は個人差がありますが、以下に一般的な初期症状を示します。

記憶障害

新しい情報を覚えるのが難しくなる、以前は覚えていた情報を思い出せなくなる。

 

計画立案や問題解決の困難

複雑なタスクの遂行が難しくなる、日常生活の計画やスケジュールが立てられなくなる。

 

言語能力の低下

単語を見つけるのが難しくなる、言葉の意味を理解するのが困難になる、会話が混乱する。

 

時間や場所の認識喪失

日付や曜日を忘れる、自分がどこにいるかわからなくなる。

 

判断力の低下

悪い判断を下すことが増える、金銭管理が難しくなる。

 

視空間スキルの低下

距離や位置関係の認識が困難になる、物を置いた場所を見つけられなくなる。

 

社会的活動や趣味への興味喪失

以前楽しんでいた活動や趣味に対する関心が薄れる、人との交流を避ける。

 

気分や性格の変化

うつ病や不安、怒り、混乱などの感情が現れる、性格が以前と違ってくる。

 

認知症の初期症状チェックリスト

以下に初期症状に関する具体例を含めたチェックリストを示しますので、ご自身の現在の状態と照らし合わせて、確認してみてください。

 

・近々の予定や約束を忘れる

・同じ話題を繰り返す

・買い物に行ったばかりなのに、同じものをまた買いに行く

・炊事や洗濯などの家事が適切に行えなくなる

・長年行っていた趣味やスポーツが楽しめなくなる

・会話の途中で言いたいことが言えなくなる

・簡単な単語が思い出せない

・自宅周辺で迷子になる

・自分の年齢や現在の年号が分からなくなる

・何曜日かを度々尋ねる

・信じられないほどの大金を無計画に使う

・交通ルールや危険を顧みずに行動する

・ガラスや鏡に映る自分の姿に驚く

・かつての友人や親戚との交流が少なくなる

・理由もなく突然怒り出す

・小さなことで不安になり、過剰に心配する

・以前は明るかった性格が、陰鬱で閉ざされたものに変わる

 

上記のチェック項目にあてはまる数が多いほど、認知症の前兆がでてきている可能性があります。

 

認知症の初期症状がみられる場合の対応

上記のチェックリストで認知症の初期症状が疑われる場合の対応について以下でご紹介します。

かかりつけ医・専門医療機関を受診

まず、かかりつけ医認知症専門の医療機関に相談し、診断を受けましょう。

 

初期症状が他の病気や状態によるものである可能性もありますので、正確な診断が重要です。

認知症と診断された場合、専門家から治療方法やケアプランについてアドバイスを受けることができます。

 

日常生活の見直し・改善

認知症の初期症状に対処するために、日常生活の見直しや改善も役に立つとされています。

以下にいくつかのアプローチを示します。

 

健康的な食生活

バランスの良い食事や水分補給が大切です。

ビタミンEオメガ3脂肪酸が豊富な食品を積極的に摂取することをおすすめします。

 

適度な運動

軽いウォーキングストレッチなどの適度な運動が、認知機能の維持に役立つとされています。

無理のない範囲で継続しましょう。

 

社会的なつながりの維持

家族や友人との交流趣味・活動への参加が、認知機能の低下を防ぐ助けとなるとされています。

 

なぜ認知症の初期症状をチェックする必要があるのか?

認知症は、早期に発見して適切な介入・治療を施すことで、その進行を遅らせられる可能性のある病気とされています。

 

認知症の初期症状について、ご自身で気が向いたらチェックしてみることも重要ですが、不定期なチェックでは前兆を見逃してしまうかもしれません。

そのため、早期発見には定期的に自身の認知機能の状態変化を把握することが重要になります。

定期的な認知機能検査が重要

認知症の一歩前の段階にMCI(軽度認知障害)という状態があります。

物忘れなど認知症に見られる症状が出ているものの、その程度は軽く周囲に影響を及ぼすほどではない状態です。

 

 

しかし、軽度とはいえMCIを放置すると、その中の約1割の方は1年以内に認知症を発症すると言われています。一方で、もしMCI段階で適切な治療を施すことができれば、健常な認知機能まで回復する可能性が14〜44%もあるとされています。

 

つまり、認知症を深刻化させないためには、少しの認知機能の変化に気づき、適切に対応することが有用であると考えられます。

『認知機能セルフチェッカー』は「自分ひとりで、早く、簡単に」をコンセプトに認知機能低下のリスク評価ができるヘルスケアサービスです。40代以上の健康な方たちを対象に、これまでにない新しい認知機能検査サービスを提供しています。お近くの医療機関でぜひご体験ください。

-自己チェック, 認知症の症状

関連記事

老夫婦
認知症の初期症状で性格が変わる?性格は悪くなる?よくある性格変化と早期発見方法を解説

「なんだか最近、怒りっぽくなったと感じる」・「周りから性格がきつくなったと言われる」 こういった経験をされたことはありますでしょうか?   認知症の初期症状では、性格の変化が現れることがあり ...

認知症の症状

2023.11.14  

40代から物忘れがひどくなる理由|ストレスや更年期との関係、自己チェック、対策などを解説

  40代という中年期に突入すると、忘れっぽくなったり、周囲の方から物忘れを指摘されることが増えたと感じる方が多いのではないでしょうか。   物忘れは、自然な加齢の一部とされる一方 ...

認知症の症状

2024.06.17  

老人
老人性うつと認知症は違う?高齢者の認知症の初期症状にうつ状態はある?徹底解説

  老人性うつとは、60歳以上の高齢者に生じるうつ病のことです。   うつ病は、一般的に抑うつ症状が続く精神疾患の総称ですが、高齢者に生じる場合には「老人性うつ」と呼ばれます。 & ...

認知症の症状

2024.02.11  

認知症症状の1つ「BPSD」とは。症状や対応方法を解説

唐突ですが読者の皆さんは、BPSDという言葉をご存じでしょうか?   BPSDとは、「認知症の行動・心理症状」を表すもので、身体要因、心理要因などの相互作用によって引き起こる様々な精神症状や ...

認知症の症状

2023.12.31  

軽度認知障害(MCI)の症状と発症しやすい方のチェックシート、診断方法や治療までの流れまで解説

  軽度認知障害についてご存知ですか?   軽度認知障害(MCI)は、正常な認知機能と認知症の間に位置する状態です。放置すると認知症を発症するリスクが高まりますが、適切な対策を継続 ...