認知症の方に言ってはいけない言葉とは?指摘,強要はNG。話方のコツも紹介

 

認知症の方とのコミュニケーションは、介護する方にとっても認知症の方にとっても、大きな課題です。

認知症の方は、記憶や判断力、言語能力などが低下しているため、普通の会話が難しくなります。

その結果、認知症の方とのコミュニケーションは、しばしばイライラやストレス、衝突や孤立につながるとされています。

 

しかし、認知症の方とのコミュニケーションは、決して無理や無駄ではありません。

認知症の方とのコミュニケーションは、相手の心や感情に触れることができる貴重な機会です。

また、認知症の方とのコミュニケーションは、相手の症状や行動を理解したり、介護の質を向上させたりすることにも役立ちます。

 

そこで、この記事では、認知症の方とのコミュニケーションで言ってはいけない言葉とその理由をご紹介します。

また、認知症の方と正しく話すコツとその効果についてもお伝えします。

 

 

認知症の方に言ってはいけない言葉の例とその影響

認知症の方と接するときには、言葉遣いに注意しなければなりません。

認知症の方は、記憶力や判断力が低下しており、一般的には周囲の人からの言葉に敏感に反応すると言われています。

そのため、言ってはいけない言葉を使うと、認知症の方の心を傷つけたり、症状を悪化させたりする可能性があります。

 

では、具体的にどのような言葉が言ってはいけない言葉なのでしょうか。

ここでは、認知症の方に言ってはいけない言葉の例とその理由を紹介します。

言ってはいけない言葉①物忘れを指摘する言葉

「さっき食べたでしょ」

「どこに置いたか覚えてないの?」

「もう話したじゃない」

 

これらの言葉は、認知症の方に物忘れを指摘する言葉です。

認知症の方は、自分が忘れてしまったことに気づかないことが多く、周囲の人から指摘されると混乱や不安を感じるとされています。

 

また、自分が間違っていると思われることで、プライドや自信を傷つけられることもあります。

物忘れを指摘する代わりに、認知症の方の記憶を優しくサポートする声掛けをしましょう。

 

例えば、「今日はお昼にカレーを食べましたね。美味しかったですね」というように、事実を伝えるだけでなく、感想や感情を加えることで、認知症の方の記憶を呼び起こすことができます。

 

言ってはいけない言葉②強要や命令する言葉

「早くしなさい」

「これをしないと怒るよ」

「絶対にやってはダメ」

 

これらの言葉は、認知症の方に強要や命令する言葉です。

認知症の方は、自分で判断や選択ができなくなっており、周囲の人から強制されることに抵抗感や恐怖感を抱くとされています。

 

また、理由や目的が分からないまま行動させられることで、ストレスや不満が溜まります。

強要や命令する代わりに、認知症の方に選択肢や理由を提示する声掛けをしましょう。

 

例えば、「お風呂に入りましょうか。入ると気持ち良くなりますよ」というように、行動のメリットや目的を伝えることで、認知症の方の理解や同意を得ることができます。

 

言ってはいけない言葉③責めるや否定する言葉

「どうしてそんなこともできないの」

「昔はできていたじゃない」

「また失敗したの?」

 

これらの言葉は、認知症の方を責めたり、否定する言葉です。

認知症の方は、自分の能力や価値が低下していることに苦しんでおり、周囲の人から非難や批判を受けると、落ち込んだり、怒ったりすることがあるとされています。

 

また、過去の自分と比較されることで、現実とのギャップに苦悩することも多いようです。

責めたり否定する代わりに、認知症の方には励ましや肯定する声掛けを意識しましょう。

 

例えば、「大変だったね。よく頑張ったね」というように、認知症の方の努力や感情を認めることで、安心感や自尊感を与えることができるとされています。

 


 

以上、認知症の方に言ってはいけない言葉の例とその理由を紹介しました。

認知症の方は、言葉だけでなく、声のトーンや表情なども敏感に感じ取る傾向があるようです。そのため、言葉遣いだけでなく、優しい態度や笑顔も忘れずに心がけましょう。

認知症の方とコミュニケーションを取ることは難しいかもしれませんが、相手の気持ちに寄り添うことで、信頼関係を築くことができます。

 

認知症の方との正しい会話、コミュニケーションの取り方

認知症の方とのコミュニケーションで言ってはいけない言葉を避けることは大切ですが、それだけでは十分ではありません。

認知症の方と正しく話すためには、話し方のコツを知ることも必要です。

ここでは、認知症の方との話し方のコツを紹介します。

正しい会話、コミュニケーション①相手の目を見て話す

認知症の方は、言葉だけでなく、視覚や聴覚などの感覚も重要なコミュニケーションの手段です。

相手の目を見て話すことで、相手に興味や関心を示すことができます

また、相手の表情や反応を確認することで、相手の気持ちや理解度を把握することができます。

 

正しい会話、コミュニケーション②簡単で明確な言葉を使う

認知症の方は、複雑な言葉や長い文章についていくことが難しくなるとされています。

そのため、簡単で明確な言葉を使って話すことが大切です。

具体的には、以下のようなポイントに注意しましょう。

 

・一度に一つの話題に絞る

・必要な情報だけを伝える

・抽象的な言葉や比喩ではなく、具体的な言葉や例を使う

・質問は選択式やはい・いいえ式にする

・相手の名前や呼びかけを入れる

 

正しい会話コミュニケーション③相手のペースに合わせる

認知症の方は、自分のペースで物事を考えたり、行動したりすることができません。

そのため、周囲の人が急かしたり、無理やり進めたりすることは避けましょう。

 

相手のペースに合わせることで、相手に安心感や尊重感を与えることができます

具体的には、以下のようなポイントに注意しましょう。

 

・話すスピードや音量を落とす

・相手が話しているときはじっくり聞く

・相手が答えられないときは待つか、ヒントを与える

・相手が間違っているときは優しく訂正するか、そのまま受け入れる

 

以上、認知症の方との話し方のコツを紹介しました。

認知症の方とのコミュニケーションは、難しく感じるかもしれませんが、上記のコツを実践することで、より良い関係を築くことができます。

 

まとめ

認知症の方には、物忘れを指摘したり、強要や命令したり、責めたり否定したりする言葉を使わないようにしましょう。

これらの言葉は、認知症の方の心を傷つけたり、症状を悪化させたりします。

代わりに、記憶をサポートしたり、選択肢や理由を提示したり、励ましや肯定したりする言葉を使いましょう。

優しい態度や笑顔も大切です。

 

また、認知症の方と話すときは、相手の目を見て話し、簡単で明確な言葉を使い、相手のペースに合わせることが大切です。

これらの話し方のコツを守ることで、認知症の方の心や感覚に寄り添い、信頼関係を築くことができるとされています。

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