エーザイの認知症治療薬「アデュカヌマブ」、米FDAによる承認審査が3ヶ月延長
エーザイと米バイオジェン社が共同開発するアルツハイマー型認知症治療薬候補の「アデュカヌマブ」について、米食品医薬品局(FDA)の新薬承認審査の期間が3カ月延びて2021年6月7日までになったと発表しました。FDAは3月7日までに承認の可否を判断する予定でしたが、追加データ精査のために審査期間が延長されたとのこと。
本治療薬は「アルツハイマー型認知症の原因が脳内にアミロイドベータと呼ばれるタンパク質が異常に溜まり、それが結果として脳神経細胞を破壊することで認知機能が低下する」というアミロイドベータ仮説に基づいて、その蓄積を防ぐことで認知機能の低下を抑制する効果が期待されている治療薬です。
「アデュカヌマブ」は3段階ある臨床試験(治験)の最終第3段階の結果を2019年末までにまとめ、2020年7月にFDAへの新薬承認申請を行い、FDAがこれを受理。さらに優先審査対象にも指定されました。しかし、同年11月にFDAが開いた外部有識者へ承認可否のアドバイスを求める「諮問委員会」にて一転、有識者からの否定的な見解が大半を占めるという事態となり、承認審査が暗礁に乗り上げた経緯があります。
その後、本年1月にバイオジェンがFDAの審査プロセスの一環として追加の治験データ提出を求められたことが明らかになり、そのデータ精査のために期間が3ヶ月延長されたと発表されました。本年6月7日のFDAによる審査結果発表が待たれます。
外部リンク▶︎エーザイ1月29日付プレスリリース