スマホ認知症とは?治らないの?チェックリストで対策をしましょう

 

スマホは多くの人々にとってなくてはならない存在となっています。

2010年にはスマートフォン所持率は4%程度でしたが、2023年には96.3%まで増加しています。

 

スマートフォンは便利な道具である一方で、スマートフォンの使い過ぎによる様々なリスクが指摘されています。

その中でも、「スマホ認知症」が30代〜50代を中心に増加傾向にあると言われています。

 

本記事では、この「スマホ認知症」について、スマホ認知症の危険度チェックリスト・対策方法と共に解説していきます。

 

 

スマホ認知症とは

スマホ認知症とは、長時間にわたるスマートフォンの利用が原因で引き起こされる認知機能の障害を指します。

具体的には、「記憶力の低下」「集中力の散漫」「言語障害」などの症状が現れます。

 

スマホ認知症は、「認知症」と同様に、病名ではなく認知機能の低下により日常生活に支障をきたす状態を示します。

また、この記事を見られている方の中には「スマホ認知症は治らないの?」と思われている方もいるかと思いますが、スマホ認知症は認知症と違ってしっかりと対策をとることで治ると言われています。

 

スマホ認知症は特定の疾患を指すわけではありませんが、放置するとアルツハイマー型認知症や若年性認知症など、より深刻な認知症の病態へと進行する可能性があります。

 

スマホ認知症の症状

スマホ認知症では、スマホの過度な使用による「脳過労」が原因で、認知症に似た症状が現れます。

具体的には、以下のような症状が現れるとされています。

 

・記憶力・集中力の低下

・注意力散漫

・言語障害

・遂行実行機能の低下

・コミュニケーション能力の低下

・企画力・創造力の低下

・生活意欲の低下

・体調不良・情緒不安定

 

30代〜50代の働き盛りの世代にとって、これらの症状は仕事や日常生活に多大な影響を与えます。

 

スマホ認知症の原因

なぜスマホの使い過ぎで、脳機能の低下が生じるのでしょうか。

 

人の脳は情報を処理するとき

①情報を取り入れる(入力)

②取り入れた情報を整理整頓すること(整理整頓)

③最後に必要な情報を取り出す(取り出し)

というメカニズムをたどります。

 

しかし、スマホを使い過ぎると、脳に過剰な量の情報が入ってくることで、脳が取り込んだ情報を適切に処理することができなくなります。

これを「脳過労」といい、スマホ認知症を引き起こす要因の1つといわれています。

 

また、最近では1日2時間以上スマホを使用する人は、スマホ認知症に注意が必要であるといわれています。

特にコロナ禍では、1人で家にいる時間が長かったことから、スマホをずっと見ていたという方も多いのではないでしょうか

 

スマホ認知症は治らない?

一般的に、認知症は一度発症すると完治させることが困難であるとされているため、「スマホ認知症も治らない」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。

 

ご安心ください、一般的な認知症とは異なり、『スマホ認知症』は治るとされています。

一般的な認知症は、何らかの原因によって脳の神経細胞が破壊されることで発症しますが、スマホ認知症は、スマホの見すぎによる脳過労によって、認知機能に支障が出ているだけだからです。

 

スマホ認知症のチェックリスト

 

まずは、以下のチェックリストを確認してみましょう。

 

もの忘れが増えた

名前がすぐに出てこない

何かを取りに来て目的を忘れる

約束を度忘れする

3日前何をしていたかを思い出せない

話題のニュースを3つ挙げられない

最近漢字が書けなくなった

最近簡単な計算を間違える

検索すれば分かることは覚えない

スマホに頼り道を覚えられない

 

上記のチェックリストに当てはまる数が多いほど、スマホ認知症の可能性があります。

チェックリストの項目に加えて、1日2時間以上スマホを利用している方は、さらに注意が必要です。

 

スマホ認知症の対策方法7選

 

では、どのようにスマホ認知症の対策をすればよいのでしょうか。

スマホ認知症の対策としては、スマホの使用時間を少なくして1日に取り入れる情報量を減らすことが大切です。

そこで、スマホ認知症の対策として、スマホの使用時間を減らす方法を以下で7つ紹介します。

 

スクリーンタイムを確認する

スマホで、使用時間を確認できる「スクリーンタイム(iPhoneの場合)」や「デジタルウェルビーング(Androidの場合)」という機能を利用して、自分がスマホをどのくらい使っているのかを把握します。

 

これにより、ご自身が現在どれくらいスマホを使用しているのかを可視化することができ、使用時間の短縮に向けた改善を進めるきっかけになります。

 

通知とバイブレーションをオフにする

重要性の低いアプリからの通知でも、通知が来ると気になってスマホを見てしまい、途中で集中力が切れてしまうことがあると思います。

 

そこで、電話やメールなどの重要度が高いアプリ以外の通知を完全にオフにします。

そして、1時間単位など自分が決めた時間で、アプリを確認することで、スマホを見る回数を減らしていきます。

 

スマホ画面をグレイスケール(白黒)にする

スマホの画面をカラフルなものから白黒にすることで、スマホを見ることの魅力を減らすことができます。

 

カラフルな画面は脳に強く刺激を与え、それが依存の原因になります。

しかし、画面を白黒にすることでその刺激が減り、スマホを見る時間が自然と減ります。

 

アプリを整理する

スマホにインストールされているアプリを削除するもしくは隠すことで、スマホの利用回数を減らします。

長い間使っていないアプリを削除したり、頻繁に開いてしまい多くの時間を割いているアプリを思い切って削除してみるのも効果的です。

 

また、アプリをフォルダや別のページに隠すことで、アプリを利用する際に手間ができ、利用頻度が減少します。

 

見えない場所にスマホを置く

スマホを常に視界に入れて置くと、つい手が伸びてしまいます。そのため、スマホを見えない場所に置くようにしましょう。これにより、スマホを手に取る機会が減ります。

 

目覚まし時計を買う

多くの人がスマホを目覚まし時計代わりに使っていますが、これが寝る前や起きた直後のスマホ使用時間を増やす原因となっています。

そこで、目覚まし時計を別に用意し、寝室からスマホを排除することを推奨します。

スマホのアプリを消したり、通知・バイブレーションをオフにするだけでは利用時間が減らないという方は、スマホとの距離を物理的に離してしまうのが一番効果的です。

 

スマホ認知症以外の症状

 

スマホ認知症以外にも、スマホの使い過ぎにより様々な症状が現れます。

特にスマホの使用により、長時間うつむいた首の状態が固定されることで、首コリを初めとする頭痛やめまいが生じることがあります。

首コリ

首コリはスマホの使い過ぎによって生じやすい症状です。

スマホを使い過ぎで長時間うつむいた状態でいると、通常であればゆるくカーブしている首の骨が直線に近い状態になることがあります。

 

これは、いわゆるストレートネックであり、首コリ以外にも頭痛・めまい・吐き気などを引き起こすことがあります。

 

うつ

情報過多による脳の疲労は、認知症に似た症状だけでなく、気分の落ち込みなどのうつに似た症状が現れることがあります。

カナダで行われたスマホの使用時間とうつの関連性についての研究によると、スマホを1時間利用するごとに、うつ病のリスクが高まることがわかっています。

 

うつ病への対策は、認知症への対策と同様に、スマホの使用時間を減らすように意識する必要があります。

 

睡眠障害

スマホはその情報量だけでなく、画面から発せられているブルーライトも人体に影響を与えています。

 

ブルーライトは、脳を目覚めさせる働きがあり、就寝前にスマホの画面を長時間見ていると、脳が興奮状態になり、寝つきが悪くなります。

就寝する1時間前までには、スマホの電源を切って、見ないようにしましょう。

 

まとめ

今回は、スマホの使い過ぎにより生じる「スマホ認知症」についてご紹介しました。

スマホ認知症は放置すると、アルツハイマー型認知症や若年性認知症を発症する可能性があります。

 

ただし、スマホ認知症は、認知症と違って、しっかりと対策をすれば治ると言われています。

まずは、ご自身のスマホの利用状況を確認して、スマホの使用時間を減らす対策を実践してみてください。

 

また、スマホを見る時間を減らすことで、スマホ認知症だけでなく、首コリやうつ病などの様々な心身の不調を改善することができます。

日常生活を過ごしやすくするためにも、日々の生活習慣を見直していきましょう。

 

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