認知症テスト問題は図形を使ってできる?早期発見の重要性と定期的な認知機能測定方法を解説

認知症

 

認知機能を確かめるための検査がいくつも存在する中で、画像を使った認知症テストも存在します。

この記事では、画像を使って認知機能をチェックするテストの概要や種類、注意点を詳しく解説します。

認知機能の低下を早期に察知するための方法や、万が一認知症と診断されてしまったときに取り組むべきことについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

自宅にいながら簡単にできる図形を用いた認知機能テスト問題

まずは、簡単に認知機能をチェックできる図形を用いたテストを紹介します。

  • 認知症予防協会の認知症自己診断テスト
  • MMSE(ミニメンタルステート検査)
  • コース立方体組み合わせテスト
  • 立方体の模写
  • 時計描画テスト

それぞれ順番に見ていきましょう。

認知症予防協会の認知症自己診断テスト

認知症予防協会の認知症自己診断テストは、テストを受ける本人だけでできる質問形式のテストです。

立方体の図形の数を正確に数え、空間認識能力があるかどうか等をチェックします。

また、平面で描かれた図形を「上から見たとき」にどのような形になるかを答える問題も出題されます。

認知症自己診断テストで「80点以下」の点数となってしまった場合は、認知症の疑いがあるとされていて、一度かかりつけ医や住んでいる地域の地域包括支援センターを受診した方が良いとされています。

 

※実際の問題がこちらからご覧ください

 

MMSE(ミニメンタルステート検査)

MMSEは、30点満点の簡単な字や図形を読み解くテストです。

五角形や立方体などの図形が問題文に描かれており、その絵を正確に模写できるかどうかを判断します。

30点満点中、27点以上は正常である可能性が高く、22〜26点の場合は「軽度の認知症の疑いが強い」、21点以下は「どちらかというと認知症の疑いが強い」とされています。【参照:認知機能の評価法と認知症の診断

問題数は11問で、「現在の年月日の質問」、「現在いる場所の質問」、「3つの言葉を繰り返させる」、「伝えた内容を実行させる」といった1問ごとに点数が割り振られています。

 

※実際の問題はこちらからご覧ください

 

コース立方体組み合わせテスト

コース立方体組み合わせテストは、赤、白、青、黄の4色に分けられた立方体を組み合わせていくテストで、制限時間が設けられています。

制限時間内にどれだけの問題数に答えられるかで点数が決められ、点数が低くなってしまう方は「認知症の症状が少し進んでいる可能性がある状態」だと言われています。

 

立方体の模写

立方体の模写は、本人以外の家族が参考例として立方体を描き、本人に模写してもらうテストです。

立方体を綺麗に模写できれば認知症の疑いは弱いとされていますが、歪な形で描き終えてしまう場合は「アルツハイマー型認知症」もしくは「レビー小体型認知症」の疑いが強いとされています。

また、MMSEで気になる点がなかった方でも、こちらの立方体の模写によって認知機能低下の心配が出てくる場合もあります。

 

時計描画テスト

時計描画テストは、まず円時計の絵をそのまま模写してもらうことからスタートします。

次に家族が本人に対して時間を指定し、指定した時間通りに短針と長針を描けているかを判定するテストです。

空間を認知する能力の低下を判断するテストのため、時計の文字盤が半分の6時で止まってしまっている場合や、指定した時刻通りに描けない場合は注意が必要です。

 

簡易テストを行う際の注意点

簡易テストで点数が低くなってしまった場合でも、それが「認知症である」と断定できるわけではありません。

簡易テストは、あくまでも認知機能を簡易的に測定して認知機能の低下を察知するテストです。

医療機関のような「診断」ができるわけではありませんので、あくまで参考程度に留めておきましょう。

 

また、認知症は、初期段階で発見して適切な措置を講じることができれば、進行を遅らせることができる病気です。

簡易テストの結果が思わしくない場合は、すぐにかかりつけ医や医療センターを受診することが大切です。

 

認知症診断と診断後

ここからは、認知症診断の流れと、万が一認知症と診断されてしまった際に取り組むべきことについて解説します。

認知症診断までの流れ

認知症診断までの流れは、下記4つのステップに分かれています。

  1. 医療機関で診察を受ける
  2. 認知機能テストを行う
  3. 脳画像検査を行う
  4. 最後に医師が認知症であるかを判断する

専門医による認知機能テストでは、時計描画テストやMMSEなどを行い、気質的な観点から認知症の疑いを確認します。

脳画像検査では、CTやMRIを使って脳内の血流や萎縮度を判断し、認知症以外の疾患の可能性はないかを確認します。

上記を確認した後、医師がガイドラインに沿って最終的な診断をする流れとなっています。

 

認知症と診断されたらどうする?

万が一認知症と診断されてしまったら、主に経済的な観点と、家族の心構えについて話し合いをしましょう。

介護サービスや医療サービスを利用する場合、施設入居への初期費用や継続的な費用が発生します。

 

認知症は完治が難しいと言われており、長期的にゆっくり進行していく特徴があります。

従って、今現在は日常生活に大きな支障をきたすことがなくとも、これから長期的に向き合っていくことを考えれば、介護サービスを利用した方が本人や家族の生活の質を高められる可能性もあります。

本人の意思だけではなく、本人を支える家族の意思も交えて今後のことを考えておくことが大切です。

 

認知症は早期発見と定期的なセルフチェックが重要

認知症は、早期に発見して適切な介入・治療を施すことで、その進行を遅らせられる可能性のある病気とされています。

 

そして、早期発見には定期的に自身の認知機能の状態変化を把握することが重要になります。

MCI段階で発見すれば進行を抑制できる

認知症の一歩前の段階にMCI(軽度認知障害)という状態があります。

物忘れなど認知症に見られる症状が出ているものの、その程度は軽く周囲に影響を及ぼすほどではない状態です。

 

 

しかし、軽度とはいえMCIを放置すると、その中の約1割の方は1年以内に認知症を発症すると言われています。一方で、もしMCI段階で適切な治療を施すことができれば、健常な認知機能まで回復する可能性が14〜44%もあるとされています。

つまり、認知症を深刻化させないためには、少しの認知機能の変化に気づき、適切に対応することが有用であると考えられます。

 

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※本記事で記載されている認知症に関する内容は、専門家によって見解が異なることがあります。

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