レビー小体型認知症とパーキンソン病の違いとは?症状は?何科に行くべきかについても解説!

 

レビー小体型認知症とパーキンソン病は、神経変性疾患の一種です。

神経変性疾患とは、何らかの原因により脳や脊髄の神経細胞が徐々に失われ、物忘れが多くなったり(認知症)、手足がうまく動かせなくなったり(運動障害)する病気のことを指します。

 

この記事では、レビー小体型認知症とパーキンソン病のそれぞれの特徴や違いについて詳しく解説し、レビー小体型認知症もしくはパーキンソン病の疑いがある場合に何科に行けばいいのかについても解説します。

 

 

レビー小体型認知症の特徴

レビー小体型認知症とは、脳の神経細胞にレビー小体というタンパク質の塊が蓄積されることで起こる認知症とされています。

日本人に多い認知症の一つで、認知症の10%~30%を占めていると推定されています。

 

レビー小体型認知症の主な症状は、以下のようなものです。

認知機能の低下

記憶力や理解力が低下し、注意力や判断力が散漫になります。

また、良いときと悪いときの変動が激しいことも特徴です。

 

幻視

実際にはいないものが見える症状で、知らない人や動物、虫などが見えたり、床が水で濡れているなどと訴えたりする例が報告されています。

 

パーキンソン症状

筋肉がこわばり、動きが鈍くなったり小股で歩いたりするほか、表情がなくなるなどの症状がみられます。

手足のふるえはあまり出ません。

 

レム睡眠行動異常症

睡眠中に夢を見ているときに、大声で寝言を言ったり、手足を激しく動かしたりする症状です。

起きた直後に寝ぼけて夢の続きの話をすることもあります。

 

うつ症状

落ち込むことが多くなり、自分に自信が持てなくなったり、食欲や睡眠が乱れたりします。

 


 

レビー小体型認知症は、進行すると現状における平均余命は、一般的に診断されてから5年から7年とされています。

しかし、発症時期や寿命は人によってさまざまで、早い人では2年、長い人では20年生き延びることもあるようです。

 

レビー小体型認知症は、他の認知症や精神疾患と間違われやすいため、早めに医療機関を受診することが大切です。

治療法はまだ確立されていませんが、薬物療法や非薬物療法で症状を抑えることができます。

また、介護サービスや施設も利用できます。

 

レビー小体型認知症の予防方法は明確ではありませんが、運動や食事、睡眠などの生活習慣を改善することや、脳トレや趣味などで脳を刺激することが有効だと考えられています。

 

パーキンソン病の特徴

パーキンソン病とは、脳内のドーパミンという神経伝達物質が減少することで、運動機能に障害が起こる病気とされています。

ドパミンは、脳の中で運動の指令を調節する役割を果たしています。

 

ドパミンが不足すると、運動の指令がうまく伝わらず、体の動きがゆっくりになったり(無動・寡動)、手足が震えたり(振戦)、筋肉がこわばったり(筋強剛)、姿勢を崩しやすくなったり(姿勢反射)します。

これらの症状は、パーキンソン病の4大症状と呼ばれます。

 

パーキンソン病の4大症状

  • 無動・寡動(すばやい動きができなくなる)
  • 振戦(手足が震える)
  • 筋強剛(体がこわばる)
  • 姿勢反射(転びやすくなる)

 

パーキンソン病は進行性の疾患であり、現状においては治すことはできません。

しかし、適切な治療を行うことで、症状をコントロールし、生活の質を向上させることができるとされています。

治療法には、薬物療法や手術療法などがあります。

 

パーキンソン病では、運動機能だけでなく、自律神経や精神面にも影響が出ることがあります。

特に便秘や頻尿などの自律神経障害や睡眠障害などは早期に現れることもあります。

 

また、嗅覚低下や認知機能低下なども進行に伴って起こりやすくなります。うつや幻覚・妄想などの精神的な問題も見られることがあります。

 

レビー小体型認知症とパーキンソン病の違い

レビー小体型認知症とパーキンソン病は、脳の神経細胞にレビー小体と呼ばれるタンパク質の塊が出現することで起こる病気です。

レビー小体がどの部位に多くできるかによって、症状が異なります。

 

レビー小体が脳の大脳皮質に広く現れると、認知機能障害や幻視などが起こり、レビー小体型認知症と診断されます。

レビー小体が脳の脳幹部分に現れると、手足のふるえや筋肉のこわばりなどが起こり、パーキンソン病と診断されます。

 

しかし、両者を明確に区別することは困難であるとされています。

パーキンソン病の人も認知機能障害を起こすことがありますし、レビー小体型認知症の人もパーキンソン症状を起こすことがあります。

 

現在は、パーキンソン病の症状から始まった場合は、1年以内に認知機能障害が出たらレビー小体型認知症、それ以降に出たら認知機能障害を伴うパーキンソン病と診断されています。

 

レビー小体型認知症とパーキンソン病の違いは以下の表にまとめましたのでご覧ください。

 

レビー小体型認知症とパーキンソン病は何科に行けばいい?

レビー小体型認知症とパーキンソン病は神経学的な疾患であり、診断と治療には神経科(神経内科)の専門医が関与します。

そのため、もしレビー小体型認知症かパーキンソン病を疑っている場合、神経科を受診することをおすすめします。

 

神経科医は神経疾患の診断や治療に精通しており、症状や経過の詳細な観察、神経学的な検査、脳画像検査、神経心理学的な評価などを通じて、適切な診断と治療計画を立てることができます。

神経科医はまた、最新の研究や治療法にも精通しており、適切なアドバイスや情報を提供することができます。

 

もし病院の選択に迷っている場合は、かかりつけの医師や主治医に相談し、神経科を紹介してもらうこともできます。

適切な専門医の診察と指導のもとで、早期の診断と適切な治療を受けることが重要です。

 

【まとめ】

本記事では、レビー小体型認知症とパーキンソン病の特徴と違い、そしてどの科に受診すればよいかについて解説しました。

 

  • レビー小体型認知症は脳内のレビー小体の沈着によって引き起こされる認知症であり、幻視やパーキンソン症状を伴いやすい。
  • パーキンソン病は脳内のドーパミンの減少によって運動機能に障害が生じる病気であり、主な症状は筋硬直や運動の鈍化、震えなどがある。
  • レビー小体型認知症とパーキンソン病の違いは、症状の発現形式や進行の仕方、治療法などにありますが、両者はしばしば重なる症状を示すこともあります。
  • もしレビー小体型認知症やパーキンソン病を疑う場合、神経科(神経内科)を受診することが適切です。神経科医は神経疾患の診断や治療に精通しており、適切な診断と治療計画を立てることができます。

 

早期の診断と適切な治療は、レビー小体型認知症やパーキンソン病の進行を遅らせるために重要です。

症状や疑いがある場合は、迷わず神経科を受診し、専門医の指導のもとで適切なケアを受けることをおすすめします。

 

レビー小体型認知症に関しては以下の記事をご覧ください。

レビー小体型認知症とは?末期症状や平均余命、診断基準などを徹底解説!

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-レビー小体型認知症

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