認知症になると資産が凍結される?理由や事前に防ぐ方法について解説

三井住友信託銀行株式会社によると、認知症を発症した高齢者が保有する資産額は増加傾向にあります。
認知症を発症することで、自らの金融資産が凍結されるリスクについて、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、認知症と資産凍結の関係について解説していきます。

日本の認知症高齢者が保有する資産額はどれくらい?

日本の認知症高齢者が有する資産額は2020年で約250兆円と言われています。2030年で約314.2兆円、2040年で約345兆円まで増加するという推計も出ています。
2021年に内閣府が発表した国民経済計算によると2020年末における日本の総資産は1京1892兆円であったので、日本の総資産のうちの約2%を認知症高齢者が保有していることになります。

認知症を発症した場合に資産が凍結されるのは何故?

金融機関は、預金者本人が認知症と診断された場合、もしくはその家族からの告知により銀行口座を凍結します。
これは、認知症の方を特殊詐欺から守るためであるとされています。本人とのコミュニケーションを適切に取ることができない状態でのお金のやりとりは本人にとっても銀行にとってもリスクが高まります。
例えば、第三者が認知症の方の口座から勝手にお金を引き出すリスクが高まります。
ご自身での入金や出金を覚えておらず、勝手に引き出した、振り込まれた、などと銀行が訴えられるケースも考えられます。
また、一度口座が凍結されてしまうと、本人による預金の引き出しや解約は一切行えなくなってしまいます。

金融口座の凍結を事前に防ぐにはどうしたらいい?

では認知症を発症した場合に銀行口座の凍結を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。ここで任意後見制度と家族信託について説明します。

任意後見制度

本人による意思決定が難しくなった時に備え、事前に後見人となる方や委任する業務について契約を交わしておく制度です。
本人による意思決定が難しくなった後、後見人の方が委託された業務を引き継ぐことができます。本人の意思で後見人や委託する業務を決定することができるので安心な制度だと言えます。

一方、デメリットとして一定額の費用がかかることと、手続きが複雑であることが指摘されています。
申し立ての際に鑑定が必要になった場合、5-10万円程度の鑑定費用負担が発生することに加え、手続きは司法書士や弁護士に委託することができますが、その場合10-30万円程度の費用負担も生じます。

家族信託

本人による意思決定が難しくなった時に備え、事前に財産を委託する相手、目的、時期について契約を交わしておくことで財産管理の権利を受け渡す仕組みです。
家族信託でも本人が信頼できる人に財産管理の権利を委託することができます。家族信託は自分で手続きを進めることが可能ですが、専門家に委託することもできます。

金融口座が凍結されてしまったらどうしたら良い?

認知症を発症した方の金融口座が凍結されてしまった場合、法廷後見制度を利用することで凍結を解除することができます。

法廷後見制度

本人による意思決定が難しくなった後に、家庭裁判所によって選出された後見人が法律に従って本人を支援することができる制度です。
そのため、資産の凍結を解除する場合はまず家庭裁判所への申し立てを行います。解除までには3-4ヶ月かかることがあると言われています。

仕組みを理解して資産を守りましょう

認知症高齢者の資産凍結に関する手続きは複雑ですが、理解しておくことで自分や家族の資産を守ることができます。一人で難しい場合には、司法書士や弁護士に相談してみましょう。

出典:「認知症高齢者の保有する資産推計について」三井住友信託銀行株式会社

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