アルツハイマー型認知症になりやすい人の特徴や性格とは?チェックリストで自己確認

 

日本では、高齢になるにつれて発症リスクが高まるとされる「アルツハイマー型認知症」や「認知症」への関心が高まっていると言われています。

 

アルツハイマー型認知症は、記憶や思考、行動に影響を及ぼす進行性の病気であり、日常生活に多大な支障をきたすまでに症状が悪化するとされています。

 

アルツハイマー型認知症のリスク要因としては、加齢や遺伝的要因が大きな役割を果たしているとされていますが、その他にも健康状態や生活習慣、環境要因などが関与していると考えられています。

 

この記事では、アルツハイマー型認知症になりやすい方の特徴や、チェックリストについて解説していきます。

 

 

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症は、記憶、思考、行動に影響を与える脳の疾患であり、認知症の最も一般的な原因です。

 

全体の認知症症例の60%以上も占めると言われています。

 

アルツハイマー型認知症は加齢と共にリスクが高まるとされていますが、年齢だけが原因ではありません。

 

例えば、65歳未満の若年性アルツハイマー型認知症も存在し、家族歴や遺伝的要因が関与することがあります。

 

アルツハイマー型認知症の初期段階では軽度の記憶喪失が特徴であり、進行すると会話や環境への反応が困難になることがあります。

 

平均的なアルツハイマー型認知症患者の生存期間は診断後4〜8年とされていますが、20年以上が経過する場合もあるとされています。

 

アルツハイマー型認知症は脳内のアミロイドβとタウたんぱく質の蓄積によって特徴づけられ、これが神経細胞の破壊を引き起こし、記憶障害や行動の変化をもたらすと考えられています。

 

根本的な治療法は存在せず、進行を遅らせる薬物療法や症状緩和のための治療が行われていますが、根本的な治療法の開発に向けた研究が進められています。

 

アルツハイマー型認知症になりやすい人の特徴

以下では、アルツハイマー型認知症になりやすい方の特徴について、性格、生活習慣、病気・怪我、遺伝的要因、その他の特徴に分けて詳しく見ていきます。

 

① 性格の特徴

アルツハイマー型認知症になりやすい方には、いくつかの性格的な特徴が見られることがあります。

 

まず、ストレスを感じやすい性格であることです。慢性的なストレスは、脳に悪影響を与え、神経細胞の機能を低下させる可能性が高いとされています。研究によると、ストレスホルモンであるコルチゾールの持続的な高値は、認知機能の低下と関連があることが示されています。

 

次に、社交性の低い性格も特徴の一つとされています。孤独感や社会的孤立は、アルツハイマー型認知症のリスクを高める要因といわれています。社会的な活動は脳の健康を維持する助けになるという研究結果があり、これにより社会的なつながりが認知症予防に役立つ可能性があることが示されています。

 

さらに、感情の抑圧やネガティブな感情の頻度も重要な特徴です。抑うつや不安などの感情障害は、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高めることがわかっています。抑うつ状態にある人は、脳の海馬の体積が減少する可能性があり、これが認知症の発症に寄与する可能性があります。

 

これらの性格的特徴は、単独で認知症の発症を決定するわけではありませんが、他のリスク要因と組み合わさることで、発症リスクを高める可能性があります。

 

出典:High Cortisol and the Risk of Dementia and Alzheimer’s Disease: A Review of the Literature

出典:Social isolation is linked to classical risk factors of Alzheimer’s disease-related dementias

出典:Personality Associations With Amyloid and Tau: Results From the Baltimore Longitudinal Study of Aging and Meta-analysis

 

② 生活習慣の特徴

アルツハイマー型認知症のリスクを高める生活習慣には、主に以下の要因が挙げられます。

 

・不健康な食生活

・運動不足

・喫煙や過度な飲酒

 

不健康な食生活は、アルツハイマー型認知症のリスクを高める主要な要因の一つです。特に、脂質や加工食品、砂糖を多く含む食事は、脳の健康に悪影響を及ぼし、認知症に繋がる生活習慣病(脂質異常症、糖尿病等)を引き起こす可能性があります。逆に、地中海式ダイエットのような抗酸化物質やオメガ3脂肪酸を豊富に含む食事は、認知機能の低下を遅らせる効果があるとされています。

 

運動不足も大きなリスク要因です。定期的な身体活動は、脳への血流を促進し、神経細胞の健康を維持する助けになります。研究によると、週に数回の有酸素運動はアルツハイマー型認知症のリスクを低減する可能性があります。

 

さらに、喫煙や過度な飲酒もリスクを増加させます。喫煙は血管を傷つけ、脳への血流を制限することが知られています。また、過度な飲酒は脳細胞に直接的なダメージを与え、長期的な認知機能の低下を引き起こす可能性があります。

 

出典:Thinking About Your Risk for Alzheimer’s Disease? Five Questions To Consider

③ 病気・怪我の特徴

アルツハイマー型認知症のリスクを高める病気や怪我

 

・心血管疾患

・糖尿病

・頭部外傷

 

心血管疾患は、アルツハイマー型認知症のリスクを高める要因の一つです。高血圧や高コレステロールなどの心血管リスクは、脳への血流を制限し、脳細胞の損傷を引き起こす可能性があります。研究によると、これらのリスク要因を管理することが、認知症の予防につながる可能性があると考えられています。

 

糖尿病もリスク要因の一つです。糖尿病患者は、血糖値の管理が難しく、これが脳の血管にダメージを与えることがあります。高血糖は、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高めることが示されています。

 

頭部外傷もまた重要なリスク要因です。特に、繰り返し頭部外傷を受けた人は、アルツハイマー型認知症のリスクが高くなります。脳震盪などの怪我が脳細胞に長期的なダメージを与えることが知られています。

 

出典:What Are the Causes and Risk Factors of Alzheimer's and Other Dementias?

④ 遺伝的特徴

アルツハイマー型認知症は、遺伝的要因が大きく関与しており、特に家族歴がある場合にリスクが高まることが知られています。アルツハイマー型認知症には、早発性と晩発性の2種類があり、それぞれ異なる遺伝的特徴があります。

 

早発性アルツハイマー型認知症は、30代から60代前半に発症する非常に稀なタイプで、通常は遺伝的変異によって引き起こされます。このタイプのアルツハイマー型認知症は、PSEN1、PSEN2、APPという3つの主要な遺伝子が関与しているとされており、これらの遺伝子に変異がある場合、高い確率で発症することがわかっています。

 

一方、晩発性アルツハイマー型認知症は、65歳以降に発症し、最も一般的なタイプです。このタイプのアルツハイマー型認知症にはAPOE ε4という遺伝子がリスク要因として知られており、この遺伝子を持つ人は、持たない人に比べて発症リスクが高まるとされています。しかし、APOE ε4遺伝子を持っているからといって必ずしもアルツハイマー型認知症を発症するわけではなく、他の要因も関与していることが示唆されています。

 

さらに、遺伝的要因だけでなく、他のリスク要因との相互作用も重要です。たとえば、家族歴がある場合でも、健康的なライフスタイルや環境要因の管理によってリスクを低減することが可能だと言われています。

 

出典:Alzheimer's Disease Genetics Fact Sheet

 

⑤ その他の特徴

アルツハイマー型認知症のリスクを高めるその他の特徴には、教育レベルや社会経済的要因が挙げられます。

 

研究によれば、教育レベルが低い人は、教育レベルが高い人に比べてアルツハイマー型認知症のリスクが高いとされています 。教育が脳の認知的予備力を高め、病気に対する抵抗力を強化するためと考えられています。

 

また、社会経済的な要因もリスクに影響を与えます。低所得層や社会的孤立が深刻な人々は、健康的な生活習慣を維持するのが難しく、これがアルツハイマー型認知症のリスクを高める要因となります 。社会的孤立は特に、精神的な健康を損なうことが多く、うつ病や不安障害といった他の精神疾患がアルツハイマー型認知症の発症リスクをさらに高める可能性があります。

 

加えて、特定の地域や文化圏に住む人々も、アルツハイマー型認知症のリスクが異なることが示されています。例えば、生活環境や食生活、健康管理の習慣が異なるため、ある地域ではリスクが高まり、他の地域では低くなることがあるのです。これらの要因は、環境要因や遺伝的背景が複雑に絡み合っているためと考えられます 。

 

出典:Studies link formal education to reduced risk of Alzheimer's

 

アルツハイマー型認知症になりやすい人のチェックリスト

自分や周りの人がアルツハイマー型認知症になりやすいか理解するためには、以下のチェックリストを確認してください。該当する項目が多いほど、アルツハイマー型認知症のリスクが高まる可能性があると考えられています。

 

 ▢ 65歳以上である

 ▢ 両親、兄弟姉妹、または祖父母にアルツハイマー型認知症の診断を受けた人がいる

 ▢ 遺伝的要因であるAPOE ɛ4遺伝子を持っている(遺伝子検査で確認可能)

 ▢ 重度の頭部外傷を経験したことがある

 ▢ 喫煙習慣がある

 ▢ 過度な飲酒をしている

 ▢ 不健康な食事をしている(例:高脂肪、高糖質)

 ▢ 運動不足である

 ▢ 高血圧、糖尿病、心臓病などの持病がある

 ▢ 肥満である

 ▢ うつ病を経験している

 ▢ 定期的な知的活動(例:読書、パズル、学習)を行っていない

 ▢ 社会的なつながりが少ない

 ▢ 孤独を感じることが多い

 ▢ 睡眠不足や質の低い睡眠をしている

 

該当する項目が多い場合は、医師に相談し、リスクを低減するための具体的な対策を講じることが重要です。

 

アルツハイマー型認知症は予防できる?

認知症は完全に予防することは難しいですが、「生活習慣の改善」によってそのリスクを減少させることができる可能性があります。

 

2019年に世界保健機関(WHO)が『認知機能低下および認知症のリスク低減』に関するガイドラインを発表しました。

 

認知症には根本的な治療法は存在しませんが、認知機能の低下を引き起こすいくつかの危険因子に対して適切なアプローチをとることで、認知症予防が可能であるとされています。

 

そこで、WHOはガイドライン内で認知症の予防に役立つ介入行動を12項目挙げています。

12項目の内容は以下の通りです。

 

WHOのガイドラインで推奨される12の対策
  1. 身体活動(運動)
  2. 禁煙
  3. 栄養バランスの管理
  4. アルコール使用障害の管理
  5. 認知面への刺激
  6. 社会活動
  7. 体重管理
  8. 高血圧の管理
  9. 糖尿病の管理
  10. 脂質異常症の管理
  11. うつ病への対応
  12. 難聴の管理

 

例えば、毎日バランスのとれた健康的な食事をとる・有酸素運動や筋トレなどの運動習慣をみにつける・積極的に社会活動に参加するといった生活習慣の改善を行うことで、認知症の発症を遅らせたり、軽度認知障害(MCI)から健常な認知機能の状態へと回復する可能性があるとされています。(*対策により推奨レベルが異なる)

 

一方で、認知症予防や認知機能の回復に対しての薬物療法の有効性については、WHOのガイドラインでは言及されていません。

 

薬物治療には、副作用といったデメリットも存在しますので、薬物治療を考えられている方は、かかりつけ医や専門医によく相談したうえで治療を行うようにしてください。

 

認知症は早期発見と定期的なセルフチェックが重要

認知症は、早期に発見して適切な介入・治療を施すことで、その進行を遅らせる可能性がある病気とされています。

 

そして、早期発見には定期的に自身の認知機能の状態変化を把握することが重要になります。

 

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MCI段階で発見すれば進行を抑制できることも

認知症の一歩前の段階にMCI(軽度認知障害)という状態があります。

 

物忘れなど認知症に見られる症状が出ているものの、その程度は軽く周囲に影響を及ぼすほどではない状態です。

 

しかし、軽度とはいえMCIを放置すると、その中の約1割程度の方は1年以内に認知症へと進行すると言われています。

 

一方で、もしMCI段階で適切な治療を施すことができれば、健常な認知機能まで回復する可能性が14〜44%もあるとされています。

 

つまり、認知症を深刻化させないためには、少しの認知機能の変化に気づき、適切に対応することが有用であると考えられます。

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-アルツハイマー型認知症

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