認知症の診断書はどこで・どうやってもらう?定期的な認知機能測定の重要性まで解説

認知症

 

認知症の診断書をもらうためには、認知症検査などいくつかの手順を踏む必要があります。

この記事では、認知症の診断書の受領方法やや受領するために準備するべきことを解説します。

さらに、認知症のスクリーニング検査として、本人や家族の負担が少ないおすすめの認知機能測定サービスも解説しましたので、ぜひ参考にしてください。

 

 

認知症の診断書が必要な場合

認知症の診断書が必要な場合は、主に「運転免許の更新」などが挙げられます。

免許更新においては75歳以上の高齢者は認知機能検査が必須となっており、テストの点数によって第1分類(認知症のおそれあり)、第2分類(認知症のおそれ)、第3分類(認知症のおそれなし)に分けられます。

第1分類となった高齢者は、記憶力・判断力の低下により認知症の疑いが強いということで、診断書の提出を求められます。

 

認知症の診断書はどこでもらう?

認知症の診断書は、本人のかかりつけ医に作成してもらうか、地域の専門医療機関で作成してもらうことができます。

認知症の診断書は、精神科や心療内科、脳神経外科で出してもらうのが一般的ですが、どの科で出してもらわなければいけないといった決まりはありません。

また、医療機関の形態に関しても総合病院やクリニック等の指定はありませんので、本人の普段から通っているかかりつけ医に診断書を出してもらうのがおすすめです。

 

診断のために行う検査の方法

認知症診断のために行う検査の方法は、下記の3つが代表的です。

  • 神経心理学検査
  • 脳画像検査
  • MCIスクリーニング検査

それぞれ順番に解説します。

神経心理学検査

神経心理学検査では、簡単な質問と作業によって認知症であるかを判断します。それぞれの検査で一定の数値基準が定められており、これらを下回る場合は認知症の疑いが強くなります。

神経心理学検査の内容は、下記の3つが代表的です。

MMSE(ミニメンタルスケート検査)

MMSE(ミニメンタルスケート検査)は、アルツハイマー型の認知症のスクリーニングを目的に、字を読んでもらう、図形を描いてもらうなどの単純作業をする検査です。

 

改訂 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)

改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)は、単純な計算や記憶想起、当日の日付や記憶などを言葉で質問する検査であり、30点満点で評価されます。

テスト結果が20点以下だった場合は、認知症の疑いが強いとされています。

 

時計描画テスト

白紙のように円時計を描きます。

検査員から具体的な時刻が指示されますので、指示通りに短針と長針を描けるかをチェックするテストです。

神経心理学検査は上記の3つの検査を全て行うわけではなく、医師の判断や本人の希望によって、検査内容を選択する形となっています。

 

脳画像検査

脳画像検査では、脳の萎縮度合いや脳血流の低下を検査し、あらかじめ用意されているパターンに当てはめて認知症であるかを判断します。

CT

コンピュータ断層をX線を使って調べる検査であり、緊急で治療が必要な疾患を見つけます。

 

MRI

電磁気による画像検査であり、脳の萎縮度合いから認知症の診断に役立てます。

脳ドック検査で認知症が分かる?MRIやCT検査を徹底解説

 

SPECT

放射線検査薬を注射し、脳血流量を体内動向から調べる検査です。アルツハイマー型認知症などの、どのような疾患を抱えているかなどの診断に役立てます。

RI検査、SPECT検査とは?SPECT検査は何がわかる?認知症検査について分かりやすく解説

 

VSRAD

MRIと一緒に行われる検査で、MRIでは判別できない小さな疾患を見つけることができます。

脳画像検査は、主にCTもしくはMRIで行われるケースが多いです。

 

MCIスクリーニング検査

MCIスクリーニング検査は認知症に進行する前の状態であるMCIのリスクを判定する検査のことです。

血液検査を行い、血中のタンパク質を調べてリスクを判定します。

MCIとは、認知症を発症していない健常者と、認知症患者の中間の状態のことを指し、MCIから進行が進むとアルツハイマー型の認知症を発症します。

 

診断書の料金は?

診断書自体に料金はかかりませんが、認知症であるかの診断をするための検査費用が必要になります。

どのくらいの費用が必要になるかは、検査内容によって異なりますが、数千円〜2万円を目安に考えておくと良いでしょう。

上記の費用で、医師の診察や画像診断、血液検査や認知機能テストも含まれるため、検査内容としては十分だと言えます。

 

診断書の様式は?

診断書に記載されることは、基本的な氏名や記憶機能障害等の状態、現在の症状などです。

診断書は「モデル診断書様式」と呼ばれる、基本的な氏名や現在の症状を記述する様式が決まっています。

必ずしもモデル診断書様式である必要はありませんが、様式を変更する場合は、認知症の専門医又は主治医(かかりつけ医)が作成した診断書でないといけません。

また、必要な理由によって記載内容に指定がある場合は、医師がガイドラインに基づいて総合的に判断をして記載します。

 

認知症は早期発見と定期的なセルフチェックが重要

認知症は、早期に発見して適切な介入・治療を施すことで、その進行を遅らせられる可能性のある病気とされています。

 

そして、早期発見には定期的に自身の認知機能の状態変化を把握することが重要になります。

MCI段階で発見すれば進行を抑制できる

認知症の一歩前の段階にMCI(軽度認知障害)という状態があります。

物忘れなど認知症に見られる症状が出ているものの、その程度は軽く周囲に影響を及ぼすほどではない状態です。

 

 

しかし、軽度とはいえMCIを放置すると、その中の約1割の方は1年以内に認知症を発症すると言われています。一方で、もしMCI段階で適切な治療を施すことができれば、健常な認知機能まで回復する可能性が14〜44%もあるとされています。

 

つまり、認知症を深刻化させないためには、少しの認知機能の変化に気づき、適切に対応することが有用であると考えられます。

 

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※本記事で記載されている認知症に関する内容は、専門家によって見解が異なることがあります。

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