認知症を予防に効果的とされる日記のつけかたとは?テンプレートもご紹介。

 

現在、認知症は一度発症すると完治させることが困難であるとされています。

そのため、日々の生活の中で意識的に脳を活動させ、認知症予防に努めることが大切であるといわれています。

 

認知症の予防には、運動や食事のほかにも、毎日日記をつけることが効果的であるといわれています。

特に、「3行・5行日記」や「1日遅れ日記」は認知症予防に有用とされています。

 

本記事では、認知症予防に効果的であるとされている「日記のつけかた」についてご紹介します。

 

 

日記をつけることの効果

日記をつけることで、一体どのような効果が生まれるのでしょうか?

日記をつけることで、その日の出来事を思い出したり、文字を書くことに集中したりするため、脳を活性化し老化を防ぐことにも効果的であるとされています。

もの忘れの防止

日記では、その日に何が起こったのかを思い出し、書き出す作業が必要となります。

これは想像以上に脳のエネルギーを消費します。

 

特に、記憶中枢である海馬や、脳の指令センターともされる前頭葉が活発に使用され、これにより脳全体が活性化し、物忘れの防止につながると言われています。

 

日々の生活で起こった出来事を覚える意識を持つだけでなく、一日の終わりにそれらを書き出すことで、記憶として定着しやすくなります。

 

ストレス軽減・睡眠改善

日記をつけることは脳を活性化するだけでなく、神経系にも良い影響を及ぼします。

 

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」から成り立っています。

ストレスや緊張状態などで人間が興奮モードにある時は交感神経が優位になり、一方で睡眠やリラックス時など人間が落ち着いている時は副交感神経が優位になります。

 

日記を書くとき、手先の作業に集中することで副交感神経が優位になり、リラックスモードに入ります。

この特性を利用して、就寝前に日記をつけることで興奮状態を和らげ、スムーズに睡眠に入ることが可能となります。

 

加えて、副交感神経はイライラを抑制する作用があるため、日記を書くことでストレスの軽減も期待できます。

 

認知症を予防するための日記のつけかた

 

ここからは、実際に日記をどのように書くのかについて解説していきます。

5行日記(いつ、なにを)

5行日記とは、一日を振り返って、その日の出来事やご自身の状態について5行でまとめる日記です。

5行日記は、基本的に寝る前など一日の終わりに書くのが良いとされています。

 

5行日記に書く具体的な内容としては

  • その日の天気
  • 食事の内容
  • その日の服装
  • その日の出来事
  • 1日の反省

これらの項目は、ご自身が書きやすい項目に変更しても問題ありません。

 

これら5つのテーマに対して一行ずつ書くだけです。

 

簡単すぎると思うかもしれませんが、1日に起こった事をたったの5行で纏めるのは意外と大変です。

何を書いて、何を書かないかを取捨選択することが脳を稼働させ、活性化させるのです。

 

3行日記

3行日記は5行日記よりも簡単に書くことができます。

5行日記では1日の出来事を中心に書きましたが、3行日記では主に自分の思ったことや感じたことを書きます。

 

3行日記に書く内容としては

  1. よくなかったこと(うまくいかなかったこと、嫌だったこと)
  2. よかったこと(うまくいったこと、感動したこと、嬉しかったこと)
  3. 明日の目標(関心を引いた些細なことでもOK)

 

3行日記では、①よくなかったこと→②よかったこと→③明日の目標という順番で書くことで、日記の効果を高めることができます。

 


特に、不安や心配などは、頭の中で考え続けても解決せずにストレスにつながってしまいやすいです。

不安や心配などは、一旦紙に書き出すことで、頭の中から取り除くことができ、良好な精神状態を保つことができるとされています。

 

1日の最後に日記を書くという事が分かっていればその日1日を日記を意識して過ごすことができ、より細かい事を記憶するように生活が送れます。

 

たったの5行もしくは3行しか書かなくてもいいので負担が少なく、継続しやすいこともこの日記のメリットの1つです。

 

また、この5行・3行日記を次の日に書いてみる「1日遅れ日記」も記憶力のトレーニングとして、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

 

日記をつける際のポイントと注意点

 

認知症の予防効果を高めるために、日記をつける際のポイントがいくつかあります。

以下のポイントを意識してみてください

・手書き

・就寝前に書く

・頑張りすぎず、簡潔に

 

手書き

日記を手書きでつけることは、スマホやパソコンに比べて、脳に良い刺激を与えるとされています。

 

ペンを手に取り、実際に書くことで、文字を思い出したり、丁寧に書くことを意識するようになります。

これにより、集中力や記憶力が向上します。

 

また、紙に書くことで、スマホのSNSやゲームなどに気がとられることが無くなり、脳の負担を軽減することができます。

 

就寝前に書く

就寝前に一日の出来事を振り返り、紙に整理することで、頭の中がすっきりし、良い睡眠を得ることができます。

 

また、日記を書いた後はスマホを触らずにそのまま就寝することが重要です。

なぜなら、日記を書いてリラックスした後でも、スマホのブルーライトを浴びることで脳が再び興奮状態に戻ってしまう可能性があるからです。

 

がんばりすぎず、簡単に書く

日記を継続することで効果を実感できるようになります。

継続のためには、あまり頑張りすぎず、自分の気持ちを簡単に書くことが大切です。

 

日記をつけることは義務ではなく、心の整理やリラクゼーションの手段と考えることで、日記を続けやすくなります。

 

認知症は早期発見と定期的なセルフチェックが重要

認知症予防には、日記を書くなどの脳を活性化させることに加えて、定期的に認知機能を検査することが大切であるとされています。

認知症は、早期に発見して適切な介入・治療を施すことで、その進行を遅らせられる可能性のある病気とされています。

 

そして、早期発見には定期的に自身の認知機能の状態変化を把握することが重要になります。

MCI段階で発見すれば進行を抑制できる

認知症の一歩前の段階にMCI(軽度認知障害)という状態があります。

物忘れなど認知症に見られる症状が出ているものの、その程度は軽く周囲に影響を及ぼすほどではない状態です。

 

 

しかし、軽度とはいえMCIを放置すると、その中の約1割の方は1年以内に認知症を発症すると言われています。一方で、もしMCI段階で適切な治療を施すことができれば、健常な認知機能まで回復する可能性が14〜44%もあるとされています。

 

つまり、認知症を深刻化させないためには、少しの認知機能の変化に気づき、適切に対応することが有用であると考えられます。

 

認知機能検査を実施しているお近くの医療機関は、こちらからお探しください。

 

まとめ

今回は「認知症予防に効果的な日記のつけ方」を解説しました。

日記を書くことは脳を活性化し、物忘れを防止する効果があるとされています。また、神経系にも良い影響を与え、ストレス軽減や睡眠改善にもつながると言われています。

 

今回ご紹介した「5行日記」「3行日記」は継続することが大切です。

まずは1週間を目標に日記を書いてみましょう。そこから徐々に1ヶ月・3ヶ月と継続期間を伸ばしていくことをおすすめします。

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